無理心中[語句情報] » 無理心中

「無理心中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無理心中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
大怪我《おおけが》をさせたというじゃありませんか? このほかにもまだあの男には、無理心中《むりしんじゅう》をしかけた事だの、師匠《ししょう》の娘と駈落《かけお》....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
見るてえと、下手人の野郎め、騒ぎの起きたどさくさまぎれにべっぴんをかっさらって、無理心中でもしたんじゃねえかと思うんですがね。でえいち、水へもぐって船底をくりぬ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
電燈が点いたが、もうその色は白かった。 婆々の言った、両の袂の一つであろう、無理心中で女郎が一人。―― 戸を開ける音、閉める音。人影が燈籠のように、三階で....
深夜の市長」より 著者:海野十三
屋市長は自殺し、敏腕を謳われた黒河内警視総監は辞職し、悍雄動坂三郎はマスミの手で無理心中させられた。なにもかも一時に移り変ってまるで夢のように感じる。よくよく考....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
、心配になるのでね。 そこで、僕に云わせると、失恋の極、命をなげだして、恋敵と無理心中をやった熊内中尉は、大馬鹿者だと思う。鰻の香を嗅いだに終った竹花中尉も、....
島原心中」より 著者:菊池寛
いて、医者の手当を受けていたのです。僕が臨検した主な目的は、相手の男を尋問して、無理心中ではなかったか、また、たとえ合意の心中であったにしろ、男の方に自殺|幇助....
暗号の役割」より 著者:海野十三
偵も、今頃はさぞおどろいているでしょうね」 「ふふン、まさか毒|瓦斯で呉越同舟の無理心中をやらかすとは気がつかなかったろう」 碇が掌の中で壊した硝子のアンプル....
地獄の使者」より 著者:海野十三
。これをこの部屋で煙草でも交ぜて燃されるものなら、この人と一緒にわれわれも一緒に無理心中というわけだ。おお、あぶなかった」 警官たちは目をぱちくり。 「すると....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
。耽溺、痴乱、迷妄の余り、夢とも現ともなく、「おれの葬礼はいつ出る。」と云って、無理心中かと、遊女を驚かし、二階中を騒がせた男がある。 これにつけ、またそれよ....
正午の殺人」より 著者:坂口安吾
った。もっとも、そのような秘密の電話を、人にきかれるようにかけるはずもない。 「無理心中でもするつもりが、にわかに気が変って自殺したんじゃないかな」 文作はそ....
裏切り」より 著者:坂口安吾
らないのだし、セラダの奴、今度はまかりまちがえばドスンと一発、つづいてまた一発、無理心中だぜ。もう熱海とは限らないよ。この店の中でだってやりかねやしないよ」 「....
火の扉」より 著者:岸田国士
お母さんに預けといて、おれの行くところへついて来んか? そんなにびつくりするな。無理心中をするつもりなんぞ、おれにはない。お前がその気なら、そうしようといつてる....
この握りめし」より 著者:岸田国士
消してしまつた。また一軒の温泉宿での出来事だが、その宿へ一泊した男女一組の客が、無理心中をした。それだけならまだそううるさいことにもなるまいが、その男の方が、女....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
のお久とから世に怖しいことを自分の耳へ吹き込まれたのであった。それは婿の又四郎に無理心中を仕掛けて呉れと云う相談で、彼女も一時は吃驚して返事に困った。 白子屋....
遺伝」より 著者:小酒井不木
私は何気なくたずねた。 「いいえ、御恥かしい話ですが……手っ取り早くいうならば、無理心中をしかけられた痕なんです」 あまりのことに私は暫らく、物も言わずに博士....