無病[語句情報] » 無病

「無病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
にするんだ?」 「何にするもんか? 食うだけだよ。この辺じゃ未だにこれを食えば、無病息災になると思っているんだ。」 譚は晴れ晴れと微笑したまま、丁度この時テエ....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
と生命《いのち》を構わず助けるから附けた名前です。その他不思議小僧、不死身小僧、無病小僧、漫遊小僧、ノロノロ小僧、大馬鹿小僧など数えれば限りもありませぬ。人々は....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
天四海に比類あるべからず」と云い、「われ六、七歳のころより好みくひて、八十歳まで無病なるはこの霊薬の効験にして、草根木皮のおよぶ所にあらず」とも云っている。今日....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
にな。もうお脈搏がおりおりとぎれるのだそうだ。いつ落ち入りあそばすかも知れない。無病で高齢のかたの御最後は皆そのようなふうのものだから、たのみにはならないとおっ....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
つを食ってるんだぞ。」 「第十何夫人連中も喰うかね?」 「勿論、食うさ。あいつが無病息災の薬だちゅうんだから。」 「張大人は野蛮だからよ……さぞ、内地の人間が見....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
り。人は心気だに労せざれば、命ながき事、疑うべからず」 といって、さらに、 「無病第一の利」 といっておりますが、真理は平凡だといわれるように、たしかにこれ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
武男が母は、名をお慶と言いて今年五十三、時々リュウマチスの起これど、そのほかは無病息災、麹町上二|番町の邸より亡夫の眠る品川東海寺まで徒歩の往来容易なりという....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
る処の物的利益を結果しようという、超越的な観念的因果関係の設定のことなのである。無病息災・成功出世・其の他のこの物的利益が、精神的ではなくて露骨に物的である処に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》っていれば、どんな難病も癒ってしまいますそうで、丈夫な身体の人が入れば、一生涯無病で暮らせるそうでございます」 「ははあ、久助さんが、そういうことを教えたもの....
障子の落書」より 著者:寺田寅彦
になって茫然と往来を眺めながら、考えるともなくこの間中の出来事を思い出している。無病息災を売物のようにしていた妹婿の吉田が思いがけない重患に罹って病院にはいる。....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
という若い嫁であった。 幸いに玉之助、信作という二人の孫は母の健康をうけついで無病息災に育つから、喜兵衛も非常に安堵していた。と、去年の秋の季節に、大事な二人....
鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
がある。薬を製する霊水でもあろう。六四の間取りがあそこ一つの井戸がある。……一家無病息災と来たな。……グルリと土塀で囲まれている。……厩が二棟立っている。……母....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
れば、一天四海に比類あるべからず、われ六、七歳のころより好み食いて、八十歳までも無病なるはこの霊薬の効験にして、草根木皮のおよぶ所にあらず。 大正十三年六月作「週刊朝日」....
迷信解」より 著者:井上円了
ほかはない。しかるを、その身に修むべきを修めず、務むべきを務めずして、一家一身の無病、長寿、安楽を祈るは、大なる心得違いである。いやしくも今日の文明世界に生まれ....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
大丈夫だ。エックス光線で腹の奥まで見てもらったんだからな──」 神官はしきりに無病の夫人を慰めている。夫人は夫を慰めるわけにゆかぬ。 「はい。私、元気を出しま....