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無禄
「無禄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無禄の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
かと思いやした」 文「いや/\名なんどを名告《なの》るような者ではありません、
無禄《むろく》無官の浪人で業平橋に居《お》る波島文治郎と申すものでございます」 ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
済まん折角の御親切ではござるが、平にお捨置きを願いたい」 浪人「いえ/\、手前は
無禄無住の者で、浪々の身の上、決して御心配には及びません、御主名を明すのを甚く御....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
とて、上のものの方はどうにかなったであろうが、耕す土地とてそうあろうわけはなし、
無禄無扶持《むろくむふち》になった小殿様たちは、三百年の太平|逸楽《いつらく》に....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
、学問はないが働くことでは、徳川家の瓦解の時、お供をして静岡へ行った一家で育ち、
無禄の士族たちが、遠州|御前崎《おまえさき》の浜で、塩田をつくった折りに、十四歳....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
衛の子で、その名をお筆というのであると自分の口から話した。幕府が瓦解の後、久住は
無禄移住をねがい出て、旧主君にしたがって駿府(静岡)へ行ったので、陪臣の箕部もま....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
倉沢の家は旧幕府の旗本で、維新の際にその祖父という人が旧主君の供をして、静岡へ
無禄移住をした。平生から用心のいい人で、多少の蓄財もあったのを幸いに、幾らかの田....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
の辺りにチラツイている。だが一種の好男子とは云える。 この家の主人鮫島大学で、
無禄の浪人でありながら、非常に豪奢な生活をしている。――と云う噂のある人物である....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
衛の子で、その名をお筆というのであると自分の口から話した。幕府が瓦解の後、久住は
無禄移住を願い出て、旧主君にしたがって駿府(静岡)へ行ったので、陪臣の箕部もまた....
「隠亡堀」より 著者:国枝史郎
たな」 こう云ったのは伊右衛門であった。 昔は塩谷家の家来であった。 今は
無禄の浪人であった。 「考えて見りゃあお前さんは、私に執っちゃあ敵だね」 一向....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ない現代の文化の一面を代表している人物なのだ。――その石舟斎に、いや武蔵のような
無禄無名の一放浪者にくらべれば、月と小糠星ほども格のちがう大先輩に見参に入るのだ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ら、牢人剣士のそんな手に乗るようなことはしない。 それに反して、小野家の方は、
無禄者でも、強豪の聞え高い者でも、随分、相手にとって試合にも応じると聞いている。....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の強国が、ありありと浮かんでくる。 禍根は阿波だ。 公卿を踊らす者は阿波だ。
無禄の兵学者を踊らすものは公卿だ。不平な浪人を踊らすものは兵学者だ。まず、この禍....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
が多分に遺伝されていた。 蜂須賀家の家来であって、家来の束縛はうけていないし、
無禄の浪士に似て浪士でもない。いわば、山野へ放ち飼いにされていた客分である。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
屋敷の倉番、帳方、舟手、軽子頭、その他、ここで諸役についている者は、おおむね無籍
無禄の浪人だった。 かれら浪人の生態や、日頃の言なども、おもしろい。「おれの祖....