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「無稽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無稽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
家である、その田代君がこんな事を云い出す以上、まさかその妙な伝説と云うのも、荒唐無稽《こうとうむけい》な怪談ではあるまい。―― 「ほんとうですか。」 私が再《....
るしへる」より 著者:芥川竜之介
てあるからである。この記事が流布本に載せられていない理由は、恐らくその余りに荒唐無稽に類する所から、こう云う破邪顕正《はじゃけんしょう》を標榜《ひょうぼう》する....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
い蝶の事、お島婆さんの秘密の事、大きな眼の幻の事――すべてが現代の青年には、荒唐無稽《こうとうむけい》としか思われない事ですが、兼ねてあの婆の怪しい呪力《じゅり....
生きている腸」より 著者:海野十三
者はいった。それはたしかに本当である。 でも、彼が思索の中に考えついた一見荒唐無稽の「生ける腸《はらわた》」が、こうして目の前のテーブルの上で、ぐるっ、ぐるっ....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
あろう。 それでも世界の一部には懐疑病に取憑れた政治家があって、その報道の荒唐無稽なること、それが某国のためにする神経的威嚇であるとして攻撃を加えた。しかしこ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
が著しく衰退していた氷河期に新しい形態のものが生成されたであろうということは余り無稽な想像ではあるまい。このようにして、再び温暖な気候が復帰したときに、氷河期の....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
る人々は、八紘一宇を口にする資格がない。 最終戦争と言えば、いかにも突飛な荒唐無稽の放談のように考え、また最終戦争論に賛意を表するものには、ややもすればこの戦....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
な例が決して少なくない事実に気がつくならば、私の意図している方向が、まんざら荒唐無稽でないことだけはわかるはずである。 こうはいっても、私はそのために別項で強....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
校時代からのたった一人の親友、女流文学者豊村女史にある時、小初は水中の世界の荒唐無稽な歓びを、切れ切れの体験的な言葉で語った。すると友達はその感情に関係ある的確....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
か行けなかったのは笑止である。 こういう小説を書くと、またどこからか、やれ荒唐無稽じゃ何じゃと流れ弾がとんでくることであろうが、本篇の巧拙価値はまず措き、とに....
四次元漂流」より 著者:海野十三
らない自然現象はたくさんあるはずだ。お化けとか幽霊とかいうものも、いちがいに荒唐無稽といって片づけられないのだと思う。イギリスの有名な科学者オリバー・ロッジ卿も....
『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
思う。 『生きている腸は「週刊朝日」に発表したものである。これは一見はなはだ荒唐無稽であるけれど、これでなかなか示唆に富んだ未来小説だと作者自身はひとりでおそろ....
『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
供の時間」に全国中継で放送したものの原稿である。空想に終始したものであって、荒唐無稽であることはいうまでもないが、科学に趣味を持つ者にとって、このような表題につ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
に、というさえあるに、猫にしようとした……魔魅の振舞も沙汰過ぎる。聞くからに荒唐無稽である。第一、浅学|寡聞の筆者が、講談、俗話の、佐賀、有馬の化猫は別として、....
死体室」より 著者:岩村透
に、その札の引繰返っているのは、正しく人も居ない死体室からなので、慄然としたが、無稽無稽しいと思って、恐々床へ入るとまたしきりそれが鳴り出して、パタリと死体室の....