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無縁仏
「無縁仏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無縁仏の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
はみんなここまで運び、引き取り人のある者はこの小屋で引き渡し、身寄りも縁者もない
無縁仏は、裏の回向院へ葬るのがならわしでした。 だからこそ、中は火の気一つ、あ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
わからぬために、お引き取り人がないと聞きましたゆえ、こわさもこわくなりましたが、
無縁仏のおなご衆も、このまま捨てておいたら行くところへも行かれますまいと存じまし....
「さようなら」より 著者:田中英光
。山の頂きに父の回向院から貰ってきた、安政元年歿、釈清妙童女とされた七歳の幼女の
無縁仏の石地蔵があり、毎夜かすかに泣き声が聞えるとのわが家の伝説の纒わっている風....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
とのようにこの大川筋で入水する不了簡者達を戒めるためと、二つにはまた引取手のない
無縁仏を拾いあげてねんごろに菩提を弔ってやろうとの侠気から、身内の乾児達に命じて....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ほど確かな墓はねえ。目印に、捨て石の一つもおっ立てておいてやるんだな」 「後年、
無縁仏《むえんぼとけ》となって、源三郎塚……とでも名がつくであろうよ」 しめっ....
「骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
た。つまるところ、藤六の風変りな信仰であったろう。それとも藤六がどこかで発見した
無縁仏の骸骨を例の仏性で祭ってやっていたものかも知れない。黒穂の束も、何の意味も....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を済ました後、霊魂の安住という祈念で納めた特定の場所ではないらしい。 つまり、
無縁仏《むえんぼとけ》というものです。
無縁仏とすれば、陸地で、畳の上で、ともかく....
「旅へ出て」より 著者:宮本百合子
ぬ小塚の若きつた 小雨にぬれて青く打ち笑む 行きずりの馬のいばりに汚されし
無縁仏の小さくもあるかな 那須の野の春まだ浅き木の元を 野飼ひの駒はしづ/....
「霊感」より 著者:豊島与志雄
檜葉や呉竹の茂みがあります。その茂みのそばに、地蔵さんは安置され、花が供えられ、
無縁仏のための塔婆が立てられました。 分譲地から来た数名の人々を後ろにして、老....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」 「浄閑寺の投込みは、廓の女郎衆で、引取り人のない者だけを埋葬する所。地廻りの
無縁仏まで、ひきうけてくれるでしょうか」 「困ったなア。といって、ほかに方法はな....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
いのは、初春の歳徳棚でもすでに認められたように、今でも一隅にいっさい精霊もしくは
無縁仏の座を設けて、招かざる賓客に供物をしていることである。盆正月の行事のこの部....