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無能力
「無能力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無能力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
とって、もちろん好ましいことではない。しかも彼は遅筆の方である。彼はそれが自分の
無能力に裏書きをするように思われて、寂しくなったこともよくあった。が、一方またそ....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ろどん》な、仕事の出来ない、憐れむべき男と見る外を知らなかった。私の小心と魯鈍と
無能力とを徹底さして見ようとしてくれるものはなかった。それをお前たちの母上は成就....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
っても当然であろう。 この事件が発見された当時は各紙とも、この問題の解決に殆ど
無能力に見えた。なにしろ一万数千トンもある巨船が、海抜五千米のヘルナー山頂へ引掛....
「親子」より 著者:有島武郎
もし株主の側から出た噂ならだが、営業者間の評判だとすると、父は自分の役目に対して
無能力者だと裏書きされているのと同様になる。彼はこれらの関係を知り抜くことには格....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
ならばいかなる困苦にも堪え得るものであるが、現実においてあらゆる事態がその無計画
無能力を暴露しているにもかかわらずただ口頭のみにおいて空疎な強がりを宣伝し、不敗....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ころへも肉を漁りに行かなかった。私は童貞であったが、ゆえあって私の生殖器は病的に
無能力であったのである。ただ魂でも、肉でもない、私の全部生命を容れてくれるような....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
のですよ。夫人はあの外人と、密かな邪恋に酔っていたでしょうが、いまのところ博士は
無能力者であり、自分は誰にも邪魔されず研究していられりゃいいのであって、その点、....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
気を使って忠実に働いた。会社の人達から唯社長の弟であるというだけに思われ、全くの
無能力者である軽蔑をたえずうけていることにあわれみを持っていたわる気持を行動にあ....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
やりますし、又、月々の面倒も見るぐらいのことは致しますと申したではありませんか。
無能力のバカには、それでも、多すぎますぐらいでしょう。全財産の半分とは、あなた方....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
ことは、考えられないタチであった。助平でないわけではなく、インフレ景気に対しては
無能力だと思っており、インフレの特産物と自分とを並べて眺めるだけの気持のユトリが....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
ていた。それはなべて女のもつ性格の然らしめる当然であったようだ。 私はまったく
無能力者であった。私の小説などは一年にいくつと金にならず、概ね零細な稿料であり、....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
なかった償いを果そうとしている。つまり遁走中の女や犯罪は、女房子供に対して自分が
無能力であるということの自責の果だ。そんな風なこともあるだろう。健全な人間の心理....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
てその女が毎日俺たちの画室に来てモデルになってくれた。俺たちのような、物質的には
無能力に近いグループのために尽くしてくれるその女の志は美しいものだった。奴はひそ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
何事も出来ぬという有様。」「何のために勢力が衰えたか。」「これペキン政府の次第に
無能力になったのと一つは現法王が鋭敏果断にして政略に長じて居ることによります。」....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
でなく、九条家や西園寺家にたよって立身出世する野心を持った。俊成はその方はすでに
無能力者なので、彼は借りられるだけ古い日記類を借り写して、独力で有職の学問をした....