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無臭
「無臭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無臭の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
》のあるものと御考えになっても差支《さしつかえ》はなかろうと思います)早い話しが
無臭無形の神の事でもかこうとすると何か感覚的なものを借りて来ないと文章にも絵にも....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ります。すなわちその本位とするところは、我が味うところの愛という情操で、この無形
無臭の情操に相応するような非我の事相を創設するのであります。非我の事相は自然から....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
に井浚をすることにした。赤土からヘナ、ヘナから砂利と、一|丈余も掘って、無色透明
無臭而して無味の水が出た。奇麗に浚ってしまって、井筒にもたれ、井底深く二つ三つの....
「津軽の虫の巣」より 著者:宮本百合子
、物々しくその愛すべき小球の吟味に取り掛ったのである。 或る者は私《ひそ》かに
無臭の珠に鼻を当てて見た。また或る者は仔細らしく小首を傾けながら、濃やかにも粋緻....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
やらかすとは気がつかなかったろう」 碇が掌の中で壊した硝子のアンプルの中には、
無臭の麻痺瓦斯が入っていたのである。 「烏啼組じゃなきゃ見られない奇略ですね」 ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
れば、当分生活に困らない。 こういう呪わしき境遇に追込まれた者の常として、平面
無臭の生活ができないことは首肯されるであろう。私の場合においてもこの例に漏れず、....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
。おおそうか、この毒瓦斯に芳香をつけるのだ。鰻のかば焼のような芳香をつけるのだ。
無臭瓦斯よりもこの方がいい。敵は鼻をくんくんならして、この瓦斯を余計に吸い込むだ....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
れる研究に始めて成功した。こいつはまた素晴らしい。奇妙な毒物なんだが溶かすと無味
無臭で、誰も毒物が入っていると気がつかない。これを飲んで、識らないでいると、昏睡....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
関大尉のやったことであった。彼は、万一の用にもと肌身はなさずつけていた、ある無色
無臭の毒瓦斯を室内に放ったのであった。 フランク大尉に、三十六基のエンジンの仕....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
でしょうか?』 しばらくして彼女が言った。私は鼻を近づけてにおいを嗅いでみた。
無臭だ。やはり、水はただの水らしい。が、そのただの水が、どうしてこの部屋のこの靴....
「梅花の気品」より 著者:豊島与志雄
らゆる刺戟を超越した、得も云えぬ香である。人をして思わず鼻孔をふくらませる、無味
無臭の香である。それと明かに捉え得ないが、それと明かに感じ識らるる、一種独特の香....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ない、何事にもいがぐり頭だ。お前たちのいわゆる第三階級というものは、無味、無色、
無臭、無形だ。家を構える中流市民階級の夢想は、自分で高言してるように、新しく飾ら....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
売りだされているカルモチンの錠剤。あれは五十粒ぐらい飲んでも眠くならないし、無味
無臭で、酒の肴としても、うまくはないが、まずいこともない。田中がカルモチンを酒の....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
やられるのである。 教科書の一酸化炭素の項には次のように書いてあった。 無色
無臭の気体で、極めて激しい毒性がある。空気一〇〇、○○○容中に一容を含むと、呼吸....