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「無言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いの老侍《おいざむらい》が、これも同じような藤の枝に御文を結んだのを渡したなり、無言でまた、その扉をぴたりと閉めてしまいました。 そこで泣く泣く御立ち帰りにな....
「影」より 著者:芥川竜之介
の眼を思い出させた。 「どの写真？」 「今のさ。『影』と云うのだろう。」 女は無言のまま、膝の上のプログラムを私に渡してくれた。が、それにはどこを探しても、『....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《やさ》しい声で会釈《えしゃく》をした。私はかすかな心の寛《くつろ》ぎを感じて、無言のまま、叮嚀《ていねい》にその会釈を返しながら、そっと子爵の側へ歩を移した。....
「河童」より 著者:芥川竜之介
よりも、プウ・フウ新聞の記者たちに同情の起こるのを感じました。するとゲエルは僕の無言にたちまちこの同情を感じたとみえ、大きい腹をふくらませてこう言うのです。 「....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
も、休みない振子《ふりこ》を鳴らしていた。 「誰が生きているのさ？」 しばらく無言《むごん》が続いた後《のち》、お蓮がこう問い直すと、声はやっと彼女の耳に、懐....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
し、内蔵助の不快は、まだこの上に、最後の仕上げを受ける運命を持っていた。 彼の無言でいるのを見た伝右衛門は、大方《おおかた》それを彼らしい謙譲な心もちの結果と....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かし今日《きょう》はいつもよりは、一層二人とも口が重かった。給仕の美津《みつ》も無言のまま、盆をさし出すばかりだった。 「今日は慎太郎《しんたろう》が帰って来る....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ある。銀座通りを散歩することもある。あるいはまた西洋間《せいようま》の電燈の下に無言《むごん》の微笑ばかり交《か》わすこともある。女主人公はこの西洋間を「わたし....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
した本間さんは、またその煙をゆっくり吸いかえしながら、怪しいと云う眼つきをして、無言のまま、相手のつんと高い鼻のあたりを眺めた。 「こう云う事実に比べたら、君の....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
手袋はプラットフォオムの先に、手のひらを上に転《ころ》がっていた。それはちょうど無言のまま、彼を呼びとめているようだった。 保吉は霜曇りの空の下《した》に、た....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の中に倒れている相手の屍骸《しがい》を見下した。それから苦しそうな視線を挙げて、無言の答を求めるように、おずおず周囲に立っている若者たちを見廻した。が、大勢の若....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
を与えていた。が、その空気はどう云う訣《わけ》か、少将には愉快でないらしかった。無言《むごん》の何分かが過ぎ去った後《のち》、突然少将は室外に、かすかなノックの....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
たしにも多少の興味を与えるは僅《わず》かに下のように考えるからである。―― 一無言に終始した益軒の侮蔑《ぶべつ》は如何に辛辣《しんらつ》を極めていたか！ 二....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
は、良平が喘ぎ喘ぎ走るのを見ては、「おいどうしたね？」などと声をかけた。が、彼は無言のまま、雑貨屋だの床屋だの、明るい家の前を走り過ぎた。 彼の家の門口へ駈け....
「初雪」より 著者:秋田滋
あろう。けれども、両親の意に逆らうのもどうかと思う心から、ただ頸をたてに掉って、無言のうちに「行く」という返事をしてしまったのだった。彼女は物ごとを余りくよくよ....