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無関心
「無関心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無関心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
に、時々|口髭《くちひげ》をひっぱっていた。慎太郎は義兄の言葉の中に、他人らしい
無関心の冷たさを感じた。
「しかし私が診察した時にゃ、まだ別に腹膜炎などの兆候《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
六人の女たちは、皆彼の逃げた事も知らないような顔をしていた。それはどう考えても、
無関心を装《よそお》っているとは思われなかった。むしろ彼等は始めから、ある不思議....
「或る女」より 著者:有島武郎
いように振る舞った。ことに葉子の心を深く傷つけたのは、事務長の物懶《ものう》げな
無関心な態度だった。葉子がどれほど人の心をひきつける事をいった時でも、した時でも....
「或る女」より 著者:有島武郎
類と、四五枚の写真とがごっちゃにしまい込んであるその中から現われ出た。葉子は妙に
無関心な心持ちでそれを手に取った。そして恐ろしいものを取り扱うようにそれをからだ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
放り出される所まで来ると記憶の糸はぷっつり切れてしまった。彼れはそこの所を幾度も
無関心に繰返した。笠井の娘――笠井の娘――笠井の娘がどうしたんだ――彼れは自問自....
「星座」より 著者:有島武郎
いるとどうにかさせるんだが(こりゃ少しうそがすぎたかなと思ったが園がその言葉には
無関心らしく見えるのですぐ追っかけて)ちょうどいないもんだから切羽《せっぱ》つま....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
くわしたまでには、どれほどの時間がたっていたろう。しかしとにかく運命は君たちには
無関心ではなかったと見える。急に十倍も力を回復したように見えた漁夫たちが、必死に....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
って、喜んで若芽を吹くべき運命に逢い得たのだ。その時お前は永遠の否定を後ろにし、
無関心の谷間を通り越して、初めて永遠の肯定の門口に立つことが出来るようになった。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
然の研究者らは次第に跡を絶ってゆくのであった。キリスト教徒らはまた一層自然科学に
無関心であった。シーザーから三〇〇年後に彼らは大僧正テオフィロス(Theophi....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
う。鶏や、雀と違って、ただ聞いても、鴛鴦だの、白鷺のあかんぼには、博物にほとんど
無関心な銑吉も、聞きつつ、早くまず耳を傾けた。 在所には、旦那方の泊るような旅....
「橋」より 著者:池谷信三郎
シイカは川岸へ出るいつもの露路の坂を、ひとり下って行った。空には星が冷やかな
無関心を象徴していた。彼女にはあの坂の向うの空に光っている北斗七星が、ああやって....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
に仕向けるような悪いたずらをして揶揄いもしなかった。かれらはまったくラザルスには
無関心であり、彼もまたかれらに冷淡であったので、別にかれらの黒い巻髪を撫でてやろ....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
から後からと常に経験している。多くの人はそれを軽蔑している。軽蔑しないまでも殆ど
無関心にエスケープしている。しかしいのちを愛する者はそれを軽蔑することが出来ない....
「狂女」より 著者:秋田滋
、いかにも静かに、自分の身にいまどんな事件が起っているのか、そんなことにはまるで
無関心であるらしく、ただ寝かされたままじいッとしていた。一人の兵士が、女の衣類を....
「思い」より 著者:伊丹万作
というものの存在が、このように無視され、しかもだれもそれを不思議とも思わないほど
無関心な空気をはびこらせてしまつた責任をだれかが負わなければならないとしたら、そ....