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無韻
「無韻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
無韻の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「余が翻訳の標準」より 著者:二葉亭四迷
仄起《そっき》を平起《ひょうき》としたり、平起を仄起としたり、原文の韻のあるのを
無韻にしたり、或は原文にない形容詞や副詞を附けて、勝手に剪裁《せんさい》している....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
ずしも真理とは言えないだろう。況《いわ》んや今日に於ては、現に自由詩と称する如き
無韻の詩が一般に詩として肯定されている事態であるから、吾人の最も遠慮がちな意見に....
「鏡心灯語 抄」より 著者:与謝野晶子
私はロダン先生の議論――先生においては家常の談話――が常に簡素化され結晶化された
無韻詩の体であるのを、私の性癖から敬慕している。私の茲に書く物も私の端的な直観を....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
規の文明が伸びようとしているような感じがするのだ。事実私は、このときサイマ湖上の
無韻の音をその生長の行進曲と聞いたのだった。 白い闇黒が古代の湖水に落ちる。 ....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
され 爆発した時間のあと 灼熱の憎悪だけが ばくばくと拡がって。 空間に堆積する
無韻の沈黙 太陽をおしのけた ウラニューム熱線は 処女の背肉に 羅衣の花模様を焼....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
の足から、
「――――!」
無言のまま跳躍にかかろうとするところを! 同じく、
無韻《むいん》の風を起こして撃発した栄三郎の利剣が無残! ザクッと胴を割ったかと....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の下に、小学生徒や頽廃《たいはい》的な小品記者のような文体で、韻文《いんぶん》や
無韻文を得意然と書き並べていた。 それらの思想家や詩人はことごとく、純粋音楽の....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
一途の爺やがホロリホロリと涙しながら角筈さして、進まぬ足を引き摺っていく辺りは、
無韻の詩である。断腸の絵であるともまたいえよう。 しかも十二社の滝で重信の霊か....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
の唸り、低く叱る勘次の声、続いて石を抛る音、後はまたことりともしない。八百八町の
無韻《むいん》の鼾《いびき》が、耳に痛いほどの静寂《しずけさ》であった。 この....