無駄足[語句情報] » 無駄足

「無駄足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

無駄足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
》先生はもう眠《ねむっ》てしまったかも知れないが、なにこの一つ前の一等室だから、無駄足をしても大した損ではない。」 老紳士はこう云うと、瀬戸物のパイプをポケッ....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
みうちぎわ》の大洗《おおあらい》にしようか、大洗水戸間三里の道は平々凡々だから、無駄足を運ばず水戸からにしようかという事は未定問題であったので、吾輩は大洗説を主....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えがありますか」 「まだ確かなことは云えねえが、少し胸に浮かんだことがある。まあ無駄足だと思って、その金杉へ行ってみようよ。おまえも御苦労だが、一緒に来てくれ」....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
又なんとか分別を付けようと思って、遠い砂村までわざわざ踏み出してみると、やっぱり無駄足にはならねえで、なんの苦もなしに突き当ててしまったんだ。考えてみれば拾い物....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
行くには及ばねえ。誰が考えてもそうじゃねえか」 「そうですねえ。じゃあ、きょうは無駄足でしたか」と、松吉は詰まらなそうな顔をしていた。 「だが、まあいいや、久し....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
もなかった。 目黒駅から五反田駅の方にかけて尋ね歩いていた渡辺刑事も正午頃まで無駄足をしていた。 が、この度は運は渡辺刑事にあった。 彼が落胆しながら重い....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
変に仇光りのする様子が水らしい、水だと無駄です。 (ここにいらっしゃい。) と無駄足をさせまいため、立たせておいて、暗くならん内早くと急ぐ、跳越え、跳越え、倒....
微笑」より 著者:豊島与志雄
から雪が降り出した。村瀬にきき合せようと思ったが、彼の番地を記憶していないので、無駄足をしても大した損ではないと思って出かけた。 雪は小降りではあったが、夜に....
明日」より 著者:豊島与志雄
るものだ。幾日の何時頃逢いましょうと、そういう予定が立派に立って、そして先方にも無駄足をかけずに済み、こちらでも仕事の邪魔をされずに済み、万事調子よくやっていけ....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
女だけれどもうちの宿六にかゝつてはてんでダメで、庖丁や皿や醤油の壺の置き場所まで無駄足のないやう最短距離の心得によつて並べてあり、なんでもその流儀で、ツと云へば....
白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
た。私がそれを注意すると、ホームズは、 「ワトソン君、お手柄だ! おかげでうんと無駄足をふまされるのが助かった。さ、あの足跡を辿って進もう」 そこから先きはあ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
、そのために一日店を閉め切り、当てにしてわざわざ出向いて来て下さる常得意のお客に無駄足をさせる。こんな仕方をすれば多年どれほど売り込んだ老舗であっても、得意の同....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
は丹造のきょときょとした、眼付きの野卑な顔を見て、途端に使わぬ肚をきめたが、八回無駄足を踏ませた挙句、五時間待たせた手前もあって、二言三言口を利いてやる気になり....
不在地主」より 著者:小林多喜二
ると、健がジリジリした。――「小作調停裁判」を申請するというのだ。 「分りきった無駄足を何故使うんだ。」健はハッキリそう思った。――何んと云ったって、阿部も伴も....
獄中通信」より 著者:戸坂潤
ぬと閉るから、おバアチャンやお母さんによく聴いておくこと。一月の面会、引越し後に無駄足をしてもいいだけの時間の余裕を見た方がよかろう。――東亜文化協会から通信あ....