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「焦げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

焦げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
身《おみ》のうちは、一面に気味悪く紫立って、御褥《おしとね》の白綾《しろあや》も焦げるかと思う御気色《みけしき》になりました。元よりその時も御枕もとには、法師、....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
げやしませんか?」 保吉の靴はいつのまにかストオヴの胴に触れていたと見え、革の焦げる臭気と共にもやもや水蒸気を昇らせていた。 「それも君、やっぱり伝熱作用だよ....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
も、物干に雪の溶けかかった処へ餌を見せても影を見せない。炎天、日盛の電車道には、焦げるような砂を浴びて、蟷螂の斧と言った強いのが普通だのに、これはどうしたもので....
婦系図」より 著者:泉鏡花
く美的の会合、とあって、おしめと襷を念頭に置かない催しであるから、留守では、芋が焦げて、小児が泣く。町内迷惑な……その、男女交際会の軍用金。諸処から取集めた百有....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
管八 人の内も我が内もあるものかい。鹿見一郡六ヶ村。 初雄 焼土になろう、野原に焦げようという場合であるです。 宅膳 (ずっと出で)こりゃ、お百合、見苦しい、何....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
荒れ寂れた邸町を一人で通って、まるっきり人に行合わず。白熱した日盛に、よくも羽が焦げないと思う、白い蝶々の、不意にスッと来て、飜々と擦違うのを、吃驚した顔をして....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
のは、この辺ではここが多い。 一夏|激い暑さに、雲の峰も焼いた霰のように小さく焦げて、ぱちぱちと音がして、火の粉になって覆れそうな日盛に、これから湧いて出て人....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
らい口を利いて、渋茶の一杯も、あのお手からと思いましたがね、ぎょっとしたのは半分焦げたなりで天幕の端に真直に立った看板だ。電信局としてある…… 茶屋小屋、出茶....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、いやしくも文学者たるべきものの、紅玉、緑宝玉、宝玉を秘め置くべき胸から、黄色に焦げた香を放って、手を懐中に暖めたとあっては、蕎麦屋の、もり二杯の小婢の、ぼろ前....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
差しつけたんです。 ぷんと臭ったの。何とも言えない、きなッくさいような、醤油の焦げるような、厭な臭よ。」 「や、そりゃ困りましたね。」と、これを聞いて少年も顰....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
若いものの癖として、出たとこ勝負の元気に任せて、影も見ないで、日盛を、松並木の焦げるがごとき中途に来た。 暑さに憩うだけだったら、清水にも瓜にも気兼のある、....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
もに真中でじゅうと消え失せる。注すあと、注すあと、割醤油はもう空で、葱がじりじり焦げつくのに、白滝は水気を去らず、生豆府が堤防を築き、渠なって湯至るの観がある。....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
なったちで、そこな瓜番小屋へ夜番に出したわ。――我が身で火をつけて、小屋ぐるみ押焦げたあだ。真夜中での、――そん時は、はい、お月様も赤かったよ。)」 …………....
式部小路」より 著者:泉鏡花
て長くなってのたくッていたのが野郎で、蹴なぐって横へ刎ねた袷の裾なんざ、じりじり焦げていましたとさ。 此奴もう黒焼けかと思うと、そうじゃないんで、そら通れます....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
る。何だかしゅうというような音がする。フレンチは気の遠くなるのを覚えた。髪の毛の焦げるような臭と、今一つ何だか分からない臭とがする。体が顫え罷んだ。 「待て。」....