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焦げ付く
「焦げ付く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焦げ付くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
の木立に囲まれている白い土蔵の裏手に来た。草川巡査はあとからあとから湧き起って、
焦げ付くように消えて行く蝉の声のタダ中に、昨夜《ゆうべ》のままの暗黒を閉め切って....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
い女になったつもりでおりながらも、内心ではまだ、ありとあらゆる愛情というものに、
焦げ付くほどの執着を持っておりました私が、人間としての最後の愛からまでも見離され....
「髪切虫」より 著者:夢野久作
る半円球越しの何千里か向うの広い広い土地は、まだその日の正午近くらしかった。その
焦げ付く程熱した、沙漠の塵埃だらけの大空に、何千年か前から漂い残って、ニュートン....
「霊感!」より 著者:夢野久作
その私のチョッキの上を、思いもかけぬ力強さでメチャクチャに蹴立てた赤ん坊は、又も
焦げ付くように泣き藻掻き初めました。 「ウギャー。ウギャー。オヤア。オヤア。ヒヤ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
いで見ると、その下から第一番に現われて来るのは燃え立つような名誉慾だ。その次には
焦げ付くような芸術慾……その又ドン底には沸騰点を突破した愛慾、兼、性慾と、この四....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
があるかないか。どこからどうして毒薬を手に入れたか……というような事実はこの際、
焦げ付くほど探っておきたかった。又、そうしておけば、女が捕まった暁に、取調べの方....
「人間腸詰」より 著者:夢野久作
て両方の耳ッ朶に大きな真珠をブラ下げた娘が、翡翠色の緞子の服の間から、支那一流の
焦げ付くような真紅の下着の裾をビラ付かせながらジロリと使う色眼の凄かったこと……....
「近眼芸妓と迷宮事件」より 著者:夢野久作
最初、大深に初恋を感じていたのを自分でも気付かずにいたんだ。それがあの手紙を見て
焦げ付くほど燃え上った。そうして大深の死刑と一緒にこの世が暗闇になった。 ふう....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
様がないじゃないの。いつでもあの女の妾を見ている眼の視線は、妾の横頬にジリジリと
焦げ付くくらい深刻なのよ」 「ヘエッ。驚いたね。それじゃ……つまり同性愛だね」 ....
「ナンセンス」より 著者:夢野久作
る。それ等の作品の一つ一つの焦点は実にハッキリしている。脳味噌の中心にヒリヒリと
焦げ付く位である。それでいて、あとから考えるとその興味の焦点と、自分の心理の結ば....