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焦点
「焦点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焦点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
を見た時から、時々意識へ上《のぼ》ることだった。けれどもまだ今のように、はっきり
焦点の合ったことはなかった。広子はその意識と共にたちまち篤介との関係にも多少の疑....
「或る女」より 著者:有島武郎
事件の起こる事のみが待ち設けられていた。そうした生活では葉子が自然に船客の注意の
焦点となり、話題の提供者となったのは不思議もない。毎日毎日凍りつくような濃霧の間....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
左手によって彼の目に当てられた。右手は望遠鏡の先の方を窓枠にしっかりと固定した。
焦点が合わせられた。彼の視野に、浅みどりの空と、白い峰の雪とが躍った。やがて彼の....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
っていった。すると其処に、大きな煉瓦積の煙突があるのだ。ところがこの煙突の根元へ
焦点を合わせてみて判ったことだが、灰色のモルタルの色で、この煙突だけは、つい最近....
「地球盗難」より 著者:海野十三
遠鏡もいいけれど、何しろ相手がどの位の距離にあるのか分らないと、動いている物体に
焦点を合わせることは困難を極めるのだった。 「……ああ、この光り物が、そうじゃな....
「恐竜島」より 著者:海野十三
たときに、ガラス球に水をいれ、それをレンズにして、太陽の光のあたる所へ出し、その
焦点《しょうてん》のむすんだところへ、黒い紙をもっていくと、その紙がもえだしたこ....
「洪水大陸を呑む」より 著者:海野十三
事件なんだ。まあ、しばらく見ていたまえ。器械を調整して、アトランチス大陸の地上へ
焦点をあわせてみよう」 おじさんは、器械の前で、いそがしく調整をはじめた。たく....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
れと分る望遠鏡が出来上った。帆村はクランプをまわして望遠鏡の仰角をあげると、その
焦点を調整した。 「ああ、千早館をここから監視なさるのね」 「そうです。今、よく....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
をゆるめ、新コロンブス号の方へ近づいていった。 すると、望遠テレビで、しきりに
焦点を新コロンブス号に合わせていた川上が、「あっ」とさけんで、あおくなった。 「....
「火星兵団」より 著者:海野十三
のぞき眼鏡のようなものに、目を近づけた。
「右の横につまみがある。それを廻して、
焦点を合わせるのだ」
先生は、そののぞき眼鏡の奥に、何だか、ななめになった光り....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ように、じつと停っているのが見えたことでしょう。 塩田大尉は、機上から双眼鏡の
焦点をしきりにあわせていましたが、このように、弾丸の壁ができているのをみてとると....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
いずれとも分かちがたい彼方の空に、一本の煙がすっとたちのぼっている。 煙の下に
焦点をあわせてゆくと、なんだかマッチ箱を浮かせたようなものが見える。まだまだ飛行....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
ら大きな声で披露をした。 「鼠の顔、鼠の顔。当った方は、目下読書界に白熱的人気の
焦点にある新進女流探偵小説家(新進だなんて失礼ナ、既成の第一線作家だわよ――と、....
「狂女」より 著者:秋田滋
談したいことがあるから、起きて、寝床から出てもらえないかね」 すると彼女はその
焦点のない、うつろな眼を将校のほうに向けた。が、うんとも答えなかった。 将校は....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
、ドウムドーフが卓子の上に置いていた酒瓶をレンズと変じ、壁にかけられた銃の雷管に
焦点があたって遂に発射させる。ためにベッドに臥していた主人の胸板が射抜かれてしま....