焦眉の急[語句情報] » 焦眉の急

「焦眉の急〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

焦眉の急の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
所に同じ結果がいつ発生しないと保証はできないのである。それで全国民は函館罹災民の焦眉の急を救うために応分の力を添えることを忘れないと同時に各自自身が同じ災禍にか....
国宝」より 著者:宮本百合子
来る。旧所有者たる貴族、華族の経済的崩壊にともなって「国宝」の人民的保管の必要は焦眉の急である。美術的国宝を社寺とひきはなすことも緊急である。〔一九四九年三月〕....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
、混淆している。或る者は文芸復興の名の下に、何物よりも先に、文学それ自体の発展が焦眉の急だと云って、文学の〔党派〕的首尾一貫性をまで犠牲にしても、プロレタリア文....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
は日本では大変に必然性を有っているから、それ故に予め之をやっつけて了うことが軍国焦眉の急だというのである。 だが日本で人民戦線というのは、群小諸政党の最低綱領....
辞典」より 著者:戸坂潤
に際して遽かに高揚する理由はない。それが高揚し得たのは他ならぬ資本主義そのものの焦眉の急に夫が何より役立つものと意識的無意識的に資本主義自身によって認定されたか....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
も語らざりき。しかも、その銃の打ち金をあげて、何物をか狙うがごとくに身構えせり。焦眉の急がにわかに迫れる時にも、彼は甚だ冷静なるをもって知られたるに、今や少しく....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
で鼻っぱしを引っこするような真似《まね》はできない。手蔓《てづる》のない、しかも焦眉の急に応ずるための財力の発動としては、その方法に、相当微細にして巧妙なるもの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ふてい》の徒がみんなこの山に集まって来て根城に仕兼ねない。事は重大で、そうして、焦眉の急に迫っている。留守師団長として、ここで策をめぐらさなければ、めぐらす時が....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
* 本年は樽川の畑は風損霜害にて収穫|大に※ずるを補わんが為めにて、决して焦眉の急を防ぐの為めにはあらざるなり。我等の子孫たる者は、此れを忘るる時は、必ず....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
てばかりはおられないからであって、次第に危険を軽蔑するようになり、遂にはいよいよ焦眉の急に切迫した場合は別として、さもない時には成るべく取越し苦労などをしないこ....
光は影を」より 著者:岸田国士
して、忘れるともなく、そのことはついのびのびになつていた。 彼にとつて、目下、焦眉の急とすべきは、父の世話にならずに、なんとか食つていける道をさがすことである....
暗号数字」より 著者:海野十三
った。 あらゆる秘密通信機関を探しだして、これを諜報者の手から取上げることも、焦眉の急を要することだった。幸いわが国の通信事業は官庁の独占または監督下にあった....
学問の独立」より 著者:福沢諭吉
とはなかるべきやと、憂苦に堪えざるなり。 されば今日この禍を未然に防ぐは、実に焦眉の急にして、決して怠るべからざるものならん。その法いかにして可ならんというに....
不在地主」より 著者:小林多喜二
、我国の人口、食糧問題がかくまでも行き詰りを感じている現今、北海道、樺太の開墾は焦眉の急務であると思います。そのためには個人の利害得失などを度外視して、国家的な....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
謀叛人だったゆえに、正当な刑罰を受けたのだ、そういうことを公衆に納得させるのが、焦眉の急だった。聖ポウル寺院の説教者は、右の宣伝を説教に織り込むよう命じられた。....