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「然らずんば〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

然らずんばの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
。何しろこの連中のモットオは『野菜をしてことごとく赤茄子《あかなす》たらしめよ。然らずんば我等に死を与えよ』と云うのですからね。」 僕「なるほどシャツ一枚の豪....
運命」より 著者:幸田露伴
を京師に還し、諸王|世子をして書を持し燕に勧め、干戈を罷め、親戚を敦うしたまえ、然らずんば臣|愚おもえらく十年を待たずして必ず噬臍の悔あらん、というに在り。其の....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
に切り出されても、その全力を尽して働くもので all or nothing(皆か然らずんば無)の法則が厳然として行われつゝあるのだ。即ち心臓は、一旦働らこうと決....
野狐」より 著者:田中英光
いう話を思いだし、たちまち、彼女にこうした勤めをさせたくなくなった。 全てか、然らずんば無か、私のこうした極端な気持が一度、共産党と喧嘩すると、今度は淫売婦の....
謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
いずれ又その中にという言葉を抵当にして、多少先方の心田に不満の種を蒔いて帰るか、然らずんば先方に機先を制せられて、人間離れのした声で上は天堂|下は地獄まで引きず....
天馬」より 著者:金史良
に、どしどしいい翻訳機関でも拵《こしら》えて紹介するように努めるがいい。内地語か然らずんば筆を折るべしという一派の言説の如きは余りにも言語道断である」そこで急に....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
のシエクスピールやミルトンや仏のパスカルやコルネイユや皆別に機軸を出さざる莫し。然らずんば何の尊ぶ可きことか之れ有らん。 記してあるのみならず、平生予に向って....
条件反射」より 著者:豊島与志雄
が、軽い肺尖カタルにかかった。煙草は何よりも病気にさわるというので、医者は禁煙か然らずんば節煙を命じ、家人たちもそれを懇望し、本人もその決心をした。ところが彼は....
青春論」より 著者:坂口安吾
現実の中に奇蹟を追うこと、これである。この世界は永遠に家庭とは相容れぬ。破滅か、然らずんば――鳴呼、然し、破滅以外の何物が有り得るか! 何物が有り得ても、恐らく....
決闘」より 著者:神西清
自分で認めておられるに違いない。われわれはじつにそういう観方をしておる者であり、然らずんばここに参りはしなかった筈です。なぜならば、われわれの面前で人間が射ち合....
奇巌城」より 著者:菊池寛
てあるのに気がついた。その書いてある字を読んでみると、 「汝は汝の学業に勉めよ。然らずんば汝の上に災あらん。」 「ははあなるほど」とボートルレは両手を擦りながら....
家庭習慣の教えを論ず」より 著者:福沢諭吉
習慣を成すに益《えき》あるか妨げあるかを考え合わせて、然る後に手を下すべきのみ。然らずんば、人間の腹より出でたる犬豕《けんし》を生ずること必定《ひつじょう》なり....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
なくて急ぎすぎたから今度はゆるゆるやる積です。もしうまく自然に大尾に至れば名作、然らずんば失敗、ここが肝心の急所ですからしばらく待って頂戴。出来次第電話をかけま....
食器は料理のきもの」より 著者:北大路魯山人
め、本格的なお膳立てをしようと思えば、どうしても、それらの骨董品でも使用するか、然らずんば、みずから雅陶をつくるよりほかはないというのが現状であります。 敢え....
それから」より 著者:夏目漱石
に思われる。彼はこれが自分の本来だと信じている。親爺の如きは、神経未熟の野人か、然らずんば己れを偽わる愚者としか代助には受け取れないのである。 代助は今この親....