焼ける[語句情報] »
焼ける
「焼ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
しとうりんちゅう》が、風雪の夜に山神廟《さんじんびょう》で、草秣場《まぐさば》の
焼けるのを望見する件《くだり》である。彼はその戯曲的な場景に、いつもの感興を催す....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
た。
「この節の女中はね。――私の所なんぞも女中はいるだけ、反《かえ》って世話が
焼けるくらいなんだよ。」
二人がこんな話をしている間《あいだ》に、慎太郎は金口....
「或る女」より 著者:有島武郎
nsolent な目つきで葉子を一目に見くるめながら、
「若い方《かた》は世話が
焼ける……さあ行きましょう」
と強い語調でいって、からからと傍若無人《ぼうじゃ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
《さえぎ》りとめて妻を横抱きに抱きすくめてしまった。
「そうれまんだ肝《きも》べ
焼けるか。こう可愛《めんこ》がられても肝べ
焼けるか。可愛《めんこ》い獣物《けだも....
「火事とポチ」より 著者:有島武郎
はじめた。
ぼくたちはその家の窓《まど》から、ぶるぶるふるえながら、自分の家の
焼けるのを見て夜を明かした。ぼくたちをおくとすぐまた出かけて行った橋本のおじさん....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
でも目の及ぶ限り芥子粒《けしつぶ》ほどの大《おおき》さの売薬の姿も見ないで、時々
焼けるような空を小さな虫が飛び歩行《ある》いた。
歩行《ある》くにはこの方が心....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
まで裾を端しょってな、素《す》っ膚足《ぱだし》に朝露のかかるのはえいもんさ、日中
焼けるように熱いのも随分つれいがな、其熱い時でなけりゃ又朝っぱらのえい気持という....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、湧くの、煮えるのなどは、口にするも暑くるしい。が、――諺に、火事の折から土蔵の
焼けるのを防ぐのに、大盥に満々と水を湛え、蝋燭に灯を点じたのをその中に立てて目塗....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ございますが、何うぞ今後とも宜しうお導きくださいますよう……。さぞ何かとお世話が
焼けることでございましょう……。』 『イヤあなたは良いお子さんを有たれて、大へん....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
夫は自殺する前に放火の嫌疑を蒙っていた。それもまた実際仕かたはなかった。彼は家の
焼ける前に家の価格に二倍する火災保険に加入していた。しかも偽証罪を犯した為に執行....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
。兎に角憎む時も愛する時も、何か酷薄に近い物が必江口の感情を火照らせている。鉄が
焼けるのに黒熱と云う状態がある。見た所は黒いが、手を触れれば、忽その手を爛らせて....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
、もう危いから荷物を出すようにといわれました。この家は自分で建てたものだが、まあ
焼けるならそれも仕方がない。さて、何か大事なものをと思った瞬間、頭に浮かんだのは....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
た畑の上に、松の枝に、扱帯の緋の輪が、燃えて動いているんです。そればかりでも家は
焼けるのに、卑怯な奴で、放火が出来ない。第一の事を、と松に這寄った時、お優さんの....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
場では、官女が前後を取巻いて、お夏さんが東の方に、通ったと謂う評判で、また勝山が
焼けるちっとばかり前、緋の袴を穿いた素白な姿の者が、ちょうどその屋根の上あたりを....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
名を蔵人蔵人といって、酒屋の御用の胸板を仰反らせ、豆腐屋の遁腰を怯したのが、
焼ける前から宵啼という忌わしいことをした。火沙汰の前兆である、といったのが、七日....