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焼け死に
「焼け死に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼け死にの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ず、宿屋に日を暮して居ますうち、其の土地に大火事が有り、宿屋は焼け、多くの旅人が
焼け死にました、其の婦人も娘と共に焼け死んだうちへ数えられたと云う事ですけれど、....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たゞしい死人がありました。おつねの勤めている店も勿論つぶれて、おつねは可哀そうに
焼け死にました。久松の店も潰れたが、幸いに怪我人はありませんでした。桂斎先生の家....
「オンチ」より 著者:夢野久作
その上で立止まった。 「ここだここだ。ワッ。臭いッ」 「ウア――。大変だ。人間が
焼け死によるぞッ」 七 暁の光りと、明け残った半月の光りが、雪の....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
と泣き叫ぶ女の声を耳にしたのであった。 「た、助けてェ……。女が居ますよォ……。
焼け死にますよォ……。た助けてェ」 人間の声に、生れつきのリズムがあるというこ....
「火傷した神様」より 著者:田中貢太郎
喉がかわいた、水を一ぱい持って来い」 「だめです、そんな暢気なことを云ってちゃ、
焼け死にます、早く起きてください」 「酒を飲んで焼け死ぬる奴があるか、水を持って....
「白痴」より 著者:坂口安吾
で、その男の心理の解釈に苦しむような間の抜けた姿なのだった。ともかく一人の人間が
焼け死にもせず立っていられるのだからと、伊沢は思った。俺の運をためすのだ。運。ま....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
「御親切様、有難う存じます、私共の母親は事によったら焼け死んだかも知れませんが、
焼け死にますれば、私の身体は身抜けが出来て、却って仕合でございます」 角「馬鹿な....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
階から死骸を投げ落したように見せかけるために自分でわざわざ屋根の物干場へあがって
焼け死に、おもんか藤五郎でなければやれないというふうに拵えたところなンか実にどう....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
い。死にましてございます。奴《やっこ》め、冥加《みょうが》な野郎でございますよ。
焼け死にましてございます」
「その、びんざさらの火事でな」
「はい。王子権現境内....
「越後獅子」より 著者:羽志主水
の勝次郎は、駆けつけて来たが、細君《かみさん》のお時の姿が見えない。ことに依ると
焼け死にはせぬかと、警察署の命令で、未だ鎮火《しめ》りも切らぬ灰燼《はい》を掻《....
「三国志」より 著者:吉川英治
の鼠としてしまったのである。 曹遵、朱讃の勢は、したたかに討たれ、また炎の中に
焼け死に踏みつぶされる者も数知れなかった。そしてこの二人の大将すらわずか数百騎を....