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焼け死ぬ
「焼け死ぬ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼け死ぬの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
れないほど、まぶしい火の海の中にはいりこんで行こうとするのです。そこまで落ちたら
焼け死ぬ外はありません。帽子が大きな声を立てて、
「助けてくれえ」
と呶鳴《ど....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
が伝六にわかったときは、真に意外! 「野郎ども、あわてるな! まごまごしていると
焼け死ぬぞ!」 叫ぶといっしょに、右門がめらめらとそばの破れ障子に、すりつけ木....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
アハハ。かけたことがなければ急いでかけいでもいい。このうえ見せつけられたら、兄は
焼け死ぬでのう。あすは来るやも知れぬ。来たら分るゆえまてまて」 しかし、四日が....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
は一杯の火に成りましたが、此の時隣りの明店にいた清次は大いに驚き、まご/\しては
焼け死ぬから、兎も角も眼の悪い重二郎のお母に怪我があってはならんと、明店を飛出す....
「斜陽」より 著者:太宰治
されていたのである。直治が、あの、麻薬中毒で苦しんでいた頃の手記のようであった。
焼け死ぬる思い。苦しくとも、苦しと一言、半句、叫び得ぬ、古来、未曾有、人の世はじ....
「一坪館」より 著者:海野十三
「ほんとうに私たち運がよかったんですね。行手を火の手でふさがれて、もうこんどは
焼け死ぬかと思ったことが四度もあったんですがねえ」 「みんな源ちゃんのお手柄だよ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
だそうだ」 「江戸中みんな焼けるがいい」 「そうして浮世の人間どもが、一人残らず
焼け死ぬがいい」 「そうして俺ら窩人ばかりが、この浮世に生き残るといい」 夜の....
「怪塔王」より 著者:海野十三
したものだから、火が服に燃えついたのだ。こいつは困ったな。ほうっておくとあいつは
焼け死ぬばかりだ」 4 偵察機と怪塔ロケットをつなぐ一本の麻綱にぶら....
「人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
、大丈夫だよ」 「いいえ、大丈夫ではないわ」 「ねえ兄ちゃん、あたしたちは火事で
焼け死ぬか、潜水艦のために殺されるか、どっちかなんだわ。そうなれば、もう覚悟をき....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
に気がついた。 「あッ、火がついた。この家に火がついた。――ああ、手がぬけない。
焼け死ぬッ」 女は目を吊りあげ猛然と身を起した。そして力まかせに自分で自分の腕....
「大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
り、やがてま上へもびゅうびゅう火の子をかぶって息も出来ません。婦人はもうこれなり
焼け死ぬものと見きわめをつけやっと帯や小帯をつないで子どもをしばりつけて川の上へ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
すわっていた。私の口からは御念仏が自然にもれた。母はのりとをあげていた。今度こそ
焼け死ぬだろうと思った。私はみにくい死体を想像した。焼けこげになったもの、水ぶく....
「火傷した神様」より 著者:田中貢太郎
、そんな暢気なことを云ってちゃ、焼け死にます、早く起きてください」 「酒を飲んで
焼け死ぬる奴があるか、水を持って来い」 火はもうその時|華表に燃え移っていた。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
はすべての秘密を知りつくした唯一の人物。やがて駒守が風守とともに別館に火をかけて
焼け死ぬことも打ち開られていたのだろうよ。英信はその日に非ずと思っていたが、意外....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
がそこを見て下されば、私は確信して申上げることができますよ。トビの者は、たしかに
焼け死ぬ者がいない筈だと思いこんでいたのですよ。あの機敏な判断にとんだコマ五郎が....