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焼け落ちる
「焼け落ちる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼け落ちるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「銀座アルプス」より 著者:寺田寅彦
なったら頂上の岩山の燃え草のない所へ行けば安全である。白木屋の火事の時に、屋上が
焼け落ちるかもしれないと言っておどかす途方もない与太郎があったそうであるが、鉄筋....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
》の強風。
家財をかついで右往左往逃げまどう町民、わめきかわす声、梁《はり》の
焼け落ちる轟音、昼よりも明るい天地のあいだにしいんと静まり返って燃えさかる火! ....
「白血球」より 著者:豊島与志雄
三十分とたたないうちに火焔は一面に室を包んだ。それからその家を包んだ。家の棟が
焼け落ちる頃になると、焼け壊れた押入の一枚の板を、火と灰との海の中の小舟のように....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
かったし、かの女も話をする気がないらしかった。かの女は絶望の表情で、自分のうちの
焼け落ちるのを目の前に見ている人のように、ひょうの降るのをながめていた。 おそ....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
」と書いている。 大戦中ターリングは軍隊の駐屯所となった。ある時はツェペリンの
焼け落ちるのが見えたり、西部戦線の砲声が聞こえたりした。音響学における彼の深い知....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
す。そして、そのあとで室内に人の姿が見えたことはありませんでした。しかるに全てが
焼け落ちると、焼跡の中央に、そして、たしかに棺桶の位置に、焼死体がありました」 ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
あるが、動かないことには救われない。この熱さ! この息苦しさ! 火の粉! 煙り!
焼け落ちる火柱! ……火元の笹家には近いらしい。いまにも焔がまわって来よう。いや....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
い、赤い焔《ほのお》であった。
その火の中で、お駒ちゃんは、垂木《たるき》でも
焼け落ちるような、大きな音であった。お駒ちゃんが、磯五の頬をなぐったのだ。
「あ....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
血戦だ。みるみる一機、二機と海の上へ落ちて行く。銀色の翼がめらめらともえあがり、
焼け落ちると、黒い煙を残して、波のなかへ消えてしまう。 敵も落ち、味方も落ちる....