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焼土
「焼土〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼土の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
爆撃機が飛んできて、たった五|噸の爆弾を墜せば、それでもう、大震災のときのような
焼土になるんです。そのとき敵の飛行機は、きっと毒瓦斯を投げつけてゆきます。この瓦....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
く、平安朝の末期など殊に甚しかったように思う。併し応仁の大乱に依って、京都は全く
焼土と化して居る。実際に京都に戦争があったのは初期の三四年であったが、此の僅かの....
「伸子」より 著者:宮本百合子
上近くでは山腹の彼方側を下りると見え、登山道の上にも下にも、人間の姿がなかった。
焼土ばかりのところを、蜒々《えんえん》ただ一筋の細道が三斗小舎の方角に消えている....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
の落葉を埋めこんで、足障りが柔かく、陰森なる喬木林から隠顕する富士は赤ッちゃけた
焼土で、釈迦の割石と富士山中の第二高点、見ようによっては、剣ヶ峰より高く見える白....
「一坪館」より 著者:海野十三
「じゃあ、いったい何の店を開いたらいいだろうか」 さあ何がいいか。源一は一坪の
焼土を四角に歩きまわって、いろいろと考えた。 この土地をゆずりうけるとき、彼は....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
をおしだ、人の内へ。 管八 人の内も我が内もあるものかい。鹿見一郡六ヶ村。 初雄
焼土になろう、野原に焦げようという場合であるです。 宅膳 (ずっと出で)こりゃ、....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
に燃えやすい市街を、灰燼から辛うじて救っているのだった。 ――昭和×年十一月、
焼土の上にて―― 「よくまア、めぐりあえて、あたし……あたし……」 「うん、うん....
「関東防空大演習を嗤う」より 著者:桐生悠々
してこの討ち漏らされた敵機の爆弾投下こそは、木造家屋の多い東京市をして、一挙に、
焼土たらしめるだろうからである。如何に冷静なれ、沈着なれと言い聞かせても、また平....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
いて昼すぎにやっとたどりついた。母と私はトラックにのって夕刻又神戸へ引かえした。
焼土はまだくすぼっていた。父は執事や叔父達と其処で後始末の打合せをしていた。金庫....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
はしたであろうが贅沢《ぜいたく》を競った。その地面に苔《こけ》をつけるには下町の
焼土では、深山、または幽谷の風趣《おもむき》を求めることは出来ない。植木のために....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
え出して、いつまでもそう聞えるのであった。 帰路の駒ヶ岳には虹が山腹にかかって
焼土を五彩にいろどっていた。函館の連絡船待合所に憐れな妙齢の狂女が居て、はじめは....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
に分れて押し寄せて来る。二百数十年泰平を誇ったさすが繁華な大江戸も兵燹にかかって
焼土となるのもここしばらくの間となった。贅沢出来るのも今のうちだ、それ酒を飲め女....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
句は外《ほか》にない。この表現効果の主要点は、羽蟻という小動物。高原地方や山麓の
焼土に多く生棲《せいせい》していて、特に夏の日中に飛翔《ひしょう》する小虫を捉《....
「その人を知らず」より 著者:三好十郎
傾斜をかけあがって行き、消える。俊子は両手を空に突き出して、ハダシで、そのへんの
焼土の上を、さぐり歩きながら)明兄さん! 明兄さん!(叫ぶ) 明 う? ……(や....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
設工事によって証明せられた。今の食堂附近を始めとして、当時発掘した敷地の中には、
焼土・焼瓦の存在する場所が少からず発見せられたのである。けだし当初の伽藍は今の敷....