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焼直し
「焼直し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
焼直しの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
『予約者後悔全集』 コンナ面白くないもの、コンナわけの判らぬ下手の翻訳、コンナ
焼直しの駄作物、と思っても一時払いの前金済で、破約する事も出来ずと後悔し、或は予....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
それは混沌でもあり、|またほんの作りものでもあるのだ」とシュニッツラーを即興的に
焼直したのを口吟んでから、彼は一つ大きな伸びをして立ち上った。
「サア熊城君、終....
「路傍の木乃伊」より 著者:夢野久作
剣な作家の真剣な作品を、骨を折って集めるのは馬鹿馬鹿しい事になって来る。ヨタでも
焼直しでも何でもいい、読者がちょっと面白がりさえすればいいという事になって来る。....
「新たなプロレタリア文学」より 著者:宮本百合子
書かれている。 ロシアにもクルイロフというがっちりした爺さんがいて、エソープの
焼直しものをうんと書いた。今でもレーニングラードの冬宮裏の公園へ行くと、濃い菩提....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
みっちい声を出しゃがる、聞くともなし聞えるところは、あっちを取入れたり、こっちを
焼直したり、いま長崎で敵討をはじめたかと思うと、唐の南の方へ繰出して、ガタガタ慄....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ために、ちょっと取寄せてみたに過ぎないでしょう。 素直なお雪ちゃんは、そういう
焼直しや、お座なりをあてがわれても、道庵のために快く笑ってやりましたが、 「先生....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
官の壁塗りのような、薄っぺらなうつしえの実演をやりつづけているそうだが、塗直し、
焼直しも、そうそう手が重なっては、凄くもなんともないぞ、市中では鬼頭堂の堂守まで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「衆」という字に焼き直したのなら、卑しむべきことだとも考えました。 いったい、
焼直しということは、よくないことである。直しや、焼酎《しょうちゅう》よりも、生一....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のかも知れない。 だが、いずれにしても、模倣というほどに邪気のあるものでなく、
焼直しというほどに陋劣《ろうれつ》なるものでもあるまい。次を聞いてやって下さい、....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
四方太がほめた。森田白楊は散々わるくいうた。あのジジイは僕も嫌だ。通篇西洋臭い。
焼直し然としている。然し田舎の趣味がある所が面白いと思います。 文章談はほんの....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
優三階興』は式亭《しきてい》三馬がその序文に言へるが如く春章が絵本『夏の富士』を
焼直したるものに相違なし。然れども図中の風俗並に役者の時代を異にせるとその色摺の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
軍学は浅薄なものだとか、甲州流などというが、あれは古くからある楠流や唐書の六韜を
焼直して、でッち上げたいかがわしい兵学だとか、世間で悪声を放ったのが、門人の耳に....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
「巧いものだなあ」とひどく感心した。吉田さんはにやにやしながら「なに、ランボウの
焼直しさ」と済ましていた。 それを送ってから一月《ひとつき》くらいして、上京の....