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「焼鳥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

焼鳥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
は結婚以来少し楽《らく》に暮らしているかも知れない。しかしついこの間まではやはり焼鳥屋へ出入《しゅつにゅう》していた。…… 「Appearances are d....
放浪」より 著者:織田作之助
るだろうと思ったのに、そこは見るからに貧民窟で、木下は夜になると玉ノ井へ出掛けて焼鳥の屋台店を出しているのだった。木下もやがて四十で、弁護士になることは内心諦め....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るから、劇場の出方や茶屋の若い者などは、休場中に思い思いの内職を稼ぐのが習いで、焼鳥屋、おでん屋、飴屋、※粉屋のたぐいに化けるのもあった。したがって、それらの商....
銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
るようになっていた。その露次を通り抜けて街へ出たところには、しかし人の好さそうな焼鳥屋が、宵から屋台を張っていた。焼鳥屋は頑固に首を振って、もう二時間も三時間も....
天馬」より 著者:金史良
た様な声だぞと思って、玄竜はじっと聞き耳をたてた。 「まあ内地で云えば大きくした焼鳥屋とでも云いますかな。あのくだらない鮮人《ヨボ》連中から解放されたすがすがし....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
鉄路のほとりと別れて、神戸へむかいました。そして知合いに出あい、彼にさそわれて、焼鳥屋へのみに行ったりして、帰ったのです。小母様。だけど一歩家の中へはいった私は....
白痴」より 著者:坂口安吾
月十日の大空襲の焼跡もまだ吹きあげる煙をくぐって伊沢は当もなく歩いていた。人間が焼鳥と同じようにあっちこっちに死んでいる。ひとかたまりに死んでいる。まったく焼鳥....
二合五勺に関する愛国的考察」より 著者:坂口安吾
四方の焼跡で、たぶんさほど祖国も呪わず宿命的、いわば自然的にたゞ焼け死んだ大きな焼鳥のような無数の屍体も見たのである。吹きちぎられた手も足も見たし、それを拾いあ....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
思ったら、一膳飯屋へ行くのか。 B 上は精養軒の洋食から下は一膳飯、牛飯、大道の焼鳥に至るさ。飯屋にだってうまい物は有るぜ。先刻来る時はとろろ飯を食って来た。 ....
もう軍備はいらない」より 著者:坂口安吾
いさ。 この地上に本当に戦争をしたがっている誰かがいるのであろうか。 まるで焼鳥のように折り重なってる黒コゲの屍体の上を吹きまくってくる砂塵にまみれて道を歩....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
は人間が死ぬなどということが一顧にも価いすることではなかったのだ。焼死者を見ても焼鳥を見てると全く同じだけの無関心しか起らない状態で、それは我々が焼死者を見なれ....
岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
うという話であるから、私は猫の皮を塩漬けにでもし蓄えて置こう。肝臓その他の腸は、焼鳥の材料に――。栄養の調子を狂わせぬように、用心して行きたい。(二〇・一一・一九)....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
を使うわ。――一座の花形ですもの。火遁だって、土遁どろどろどろ、すいとんだって、焼鳥だってお茶の子だわ。」 「しかし、それにしてもだね。」 「苦労性ね、そんな星....
放浪」より 著者:織田作之助
るだろうと思ったのに、其処は見るからに貧民街で、木下は夜になると玉ノ井へ出掛けて焼鳥の屋台店を出しているのだった。木下もやがて四十で、弁護士になることは内心諦め....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
の軒さきの、櫛の画を描いた箱看板の目じるしもなくなった。源水横町の提灯やのまえに焼鳥の露店も見出せなければ、大風呂横町の、宿屋の角の空にそそる火の見梯子も見出せ....