煉炭[語句情報] »
煉炭
「煉炭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煉炭の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬日記」より 著者:原民喜
ろぞろと集っていた。彼はその部屋の片隅で、佗しいものの臭い――それは毛糸か何かが
煉炭《れんたん》で焦げるような臭いであった――を感じた。家へ戻ると早速《さっそく....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
……正三がぼんやりその文字に見とれていると、清二はくるりと廻転椅子を消えのこった
煉炭ストーブの方へ向けながら、「タバコやろうか」と、机の抽匣《ひきだし》から古び....
「乳房」より 著者:宮本百合子
内庭に面して別棟に建っている待合室は、男女にわかたれていた。ガラス戸をあけると
煉炭の悪臭が気持悪く顔へ来た。割合すいていて、毛糸編の羽織みたいなものを着て、く....
「猫車」より 著者:宮本百合子
み荒されて来ているのであった。 坂口の爺さんは店へ出たが、すぐ帰るのでもない。
煉炭火鉢へあっち向きに蹲んで、うまくもなさそうに煙草をふかしている。 けたたま....
「その年」より 著者:宮本百合子
ると、めくら縞の羽織を着たその男は、わがことのような心得顔で獅噛《しかみ》火鉢の
煉炭火から煙草を吸いつけながら、 「そら知らん間にやるにきまっとる」 と、煙管を....
「日記」より 著者:宮本百合子
らしいが、そのひともショールをはずして膝の上へまるめこみ、沈んだ風で体をねじり、
煉炭火鉢に両手をかざして、黙っている。 「サア……何か暖いものがいいでしょうが…....
「「乳房」創作メモ」より 著者:宮本百合子
は?」 引こしがあってその荷もつを 八時半までにつれて来る 「小母さん、じゃ
煉炭に当ってて下さい ひぐまいさんが来ればすっかりそろっちゃうから」 行くとい....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
てかえることが話しに出ている由。 (ああ、いやな匂い! 午後二時すぎるとお隣りで
煉炭風呂に火をつける。
煉炭のガスはきつくてトタンの煙突が一年でくさる程有毒で、実....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
五厘 〃石粉 四十キロ入 一袋 一・一〇 灰煉瓦(黒レンガ)一個 四銭五厘
煉炭四寸 一包 六十七銭 豆炭 一袋 一・五〇 寒....
「貸家探し」より 著者:林芙美子
をなびかせて支那人のような姿で歩いた。炭屋の店先きでは、フラスコに赤い水を入れて
煉炭《れんたん》で湯をわかして近所のお神《かみ》さんの眼を惹《ひ》いている。私も....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
いたという意味の絵。 「信仰の女」 ハダカの女の子がいて、腰のあたりから空中へ
煉炭がゾクゾクと舞い上って行くぞ。電気もガスも自由に使えるようになったから
煉炭を....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
れない。いわんや、亡者を焼く烈々たる炎には、あの雪の膚が脂を煮ようものを。朱唇に
煉炭を吹こうものを。―― 私にしても仮にこの雪代夫人と…… 「でも、小父さんは....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
案内、ハナワグリルにはいる。小さいバンガロー風。なにしろ、ぼく、足が冷えるので、
煉炭火鉢へ靴をのせ、行儀わるく、ロシヤ・スープ、料理一品を食べる。ここの主は、ハ....