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煉瓦色
「煉瓦色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煉瓦色の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道標」より 著者:宮本百合子
。とある横丁で、強烈な黒灰色にぼけた四角い小家があり、それにかみつくような対照で
煉瓦色の壁が突っ立っていた。その風景はブラマンクの絵そっくりだった。古い、狭い歩....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
行一行のうちには、身もだえのように、脈搏つ心のうねりがある。いがぐり頭になって、
煉瓦色の獄衣を着て、それでも歴史の前途はいとど明るし、という眼色でいる重吉は、こ....
「小浅間」より 著者:寺田寅彦
であろうか。焦げ灰色をした蝶が飛んでいる。砂の上をはっている甲虫で頭が黒くて羽の
煉瓦色をしているのも二三匹見かけた。コメススキや白山女郎花の花咲く砂原の上に大き....
「都会地図の膨脹」より 著者:佐左木俊郎
ている土地の地図に就いて、踏査的教授を与えているのであった。 「この地図の上で、
煉瓦色に塗られてある部分は、市街から続いて来ている郡部の町で、この緑色の部分は、....
「わが五月」より 著者:宮本百合子
る。市街は、オランダの陶器絵のように愛らしく美しい。ねっとりした緑の街路樹、急に
煉瓦色のこまやかな建物の正面《ファサード》。車道を辷るシトロエンが夢のようなレモ....
「生きている古典」より 著者:宮本百合子
うちにうけいれられていていいはずの、この本の赤茶色が、日本では思想犯のきせられる
煉瓦色の獄衣の色に通じていた。過去十数年の間、ひどい時期には、この赤茶色の本は、....
「無題(二)」より 著者:宮本百合子
人の太い、しかしどこかに胡弓を弾くような響のある淋しい声。 ○浅青い色の大空と
煉瓦色の土と、緑と木との対照。 ○濁った河の水は、日光の下で、紫色に光る。 ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
遍となった。顕治が六月十六日網走刑務所へ送られるまでに、百合子は一度(六月一日)
煉瓦色の獄衣に変って、頭も丸刈にされた顕治に面会した。彼は作業として荷札つくりを....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
れとなって、太陽が水平線にしずむと、西の空にうかぶ雲は、レモン色の美しさ、それが
煉瓦色になり、やがて紅色に、だんだんと鉄色の夕やみになってしまった。西の空も水平....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
よろしくたのむッ! コルシカのためでがす。 四、酒の酔いは色に出《い》でけり赤
煉瓦色に。コン吉とタヌが薔薇《ロジェ》の木の花棚の下で待っていると、目もはるかな....