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「煎じ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

煎じの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
なっているらしくも思われた。八橋とも別れたくない、籠釣瓶とも別れたくない。それを煎じ詰めて考えていると、彼はとうとう最後の結論に到着した。 「籠釣瓶で八橋を殺し....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の姿を自分に見せて、衣笠の口真似をして自分を嚇したのであろう。 こうだんだんに煎じつめて来ると、玉藻はどう考えても魔性の者である。もう寸分も疑う余地はないので....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、 「埒明かんで、久しい風邪でな、稼業は出来ず、段々弱るばっかりじゃ。芭蕉の葉を煎じて飲むと、熱が除れると云うので、」 と肩を怒らしたは、咳こうとしたらしいが....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
た。 「風が吹きますね。」 「毎日吹くので困るよ。」と、平助は炉の火で病人の薬を煎じながら言った。「おまけに今日はすこし雪が降る。どうも不順な陽気だから、お前さ....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
るアルセーヌ・ルパンが発明した妙手だ。その妙手を模倣したんだ。しかしそれは何番|煎じかの出がらしだ。しかも入れ替えていった模写画というのが、一目でそれと分る拙劣....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
き謙三郎の、今も書斎に在すがごとく、且つ掃き、且つ拭い、机を並べ、花を活け、茶を煎じ、菓子を挟むも、みなこれお通が堪えやらず忍びがたなき追慕の念の、その一端をも....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
もない。小伝とすればあるいはいいかもしれないが、阿Qは別に大伝というものがない。煎じ詰めるとこの一篇は本伝というべきものだが、わたしの文章の著想からいうと文体が....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
あってもやはり人食人間だ。彼等の祖師|李時珍が作った「本草何とか」を見ると人間は煎じて食うべしと明かに書いてある。彼はそれでも人肉を食わぬと言うことが説き得よう....
端午節」より 著者:井上紅梅
うしても消滅しない。そこで彼は講堂の上で公表した。 右の通りこの「大差なし」を煎じ詰めると、そこに一種の私心的不平が伴うていることがわかり、決して自分が官僚を....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
て相当の制裁をうけなければならない。まかり間違えば、やはり腹切り仕事である。こう煎じつめてくると、福井の制裁と組じゅうの不面目とはしょせん逃がれ難い羽目に陥って....
鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
気の毒なように思われたらしいのです。気の毒のように思うという事――それはもう一つ煎じ詰めると、どうも自分の口からはお話が致しにくい事になります。まず大抵はお察し....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
なんにも知らぬことにて、単に情夫の嫉妬と認むればこの説も相当に有力なるべし。こう煎じつめると、第一の説が最も確実らしいけれど、磯貝親子の人物についてなんにも知ら....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
るには、余りに自分が貧弱であるという事を、さすがに能く知っているのであった。 「煎じつめれば金じゃ。金の力で徳川の天下を滅茶滅茶に掻き乱してやりたい。自分で天下....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
こない、家をほろぼし、未来は地獄に堕ちても是非がないと言うのであった。その意味を煎じつめると、彼は師直の恋を最後まで真っ直ぐに押し通させよと言うので、うき世の義....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
。他にはどんな薬もくれなかったが、しかし四日ほど前から胃のための丸薬と耳のための煎じぐすりだけをくれている。そのため僕はずっとよくなり力づいて来た。ただ耳だけは....