煎る[語句情報] » 煎る

「煎る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

煎るの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
いのちの初夜」より 著者:北条民雄
のだ。それだのに、 「俺は、どこへ、行きたいんだ」 ただ、漠然とした焦慮に心が煎るるばかりであった。――行き場がないどこへも行き場がない。曠野に迷った旅人のよ....
一兵卒」より 著者:田山花袋
らじりじりと照りつけた。四時過ぎに、敵味方の歩兵はともに接近した。小銃の音が豆を煎るように聞こえる。時々シュッシュッと耳のそばを掠めていく。列の中であっと言った....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
た。 夜になっても戦闘は継続しているらしい。天をつんざくような砲弾の音と、豆を煎るような小銃弾のひびきが、前方には遠く近くきこえている。それをよそにして、S君....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
の部隊、果然夜の明けた七時頃に遭遇した。弥勒院の野には忽ち人馬の馳せかう音、豆を煎る銃声、剣戟の響が天地をゆるがした。天野源右衛門三十騎計りで馳せ向うが、明軍は....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
られぬ。しかしてその無為にして化する底の性質は、散弾の飛ぶもほとんどいずこの家に煎る豆ぞと思い貌に過ぐるより、かの攻城砲は例よりもすみやかに持ち出されざるを得ざ....
三国志」より 著者:吉川英治
た。 均は黙って、次の室へ立って行った。小さな土炉へ火を入れて、客のために茶を煎るのであった。 「家兄、家兄、孔明が留守とあれば、仕方がないでしょう。さあ、帰....