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煎餅布団
「煎餅布団〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煎餅布団の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カズイスチカ」より 著者:森鴎外
色に染まっている。正面の背景になっている、濃い褐色に光っている戸棚の板戸の前に、
煎餅布団《せんべいぶとん》を敷いて、病人が寝かしてある。家族の男女が三四人、涅槃....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
て僕は鼻を衝《つ》くような狭い部屋に案内せられる。ランプと烟草盆とが置いてある。
煎餅布団《せんべいぶとん》が布《し》いてある。僕は坐布団がないから、為方なしにそ....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
平は一縮みになった。お神さんからあてがわれた御飯を掻っ込むとすぐに二階へ上った。
煎餅布団を敷いて頭からもぐり込んだ。 三平は布団から顔を出して見まわした。仲間....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
方なしにモトの木賃宿に帰って来ると泣面に蜂という文句通りに、大惣が大熱を出いて、
煎餅布団をハネ除けハネ除け苦しがる。今で云う急性肺炎じゃったろうと人は云いますが....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
そうか」とも言わなかった。 そのうち磯が眠そうに大欠伸をしたので、お源は垢染た
煎餅布団を一枚敷いて一枚|被けて二人一緒に一個身体のようになって首を縮めて寝て了....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
久をそのままに放っといて、子供達を見に行く振で、次の室にはいっていった。子供達は
煎餅布団の中に、ぬくぬくと眠っていた。俺は横の布団に着物のままもぐり込んで「繁昌....
「悪夢」より 著者:豊島与志雄
もまれて、下宿に帰って、飯を食い湯にでもはいると、もう何をする気力もなく、冷たい
煎餅布団にくるまって、ぼんやり寝てしまうの外はない。而もそういう生活から得らるる....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
らだが暖かになってもこない。 空になった蓋を、米櫃の上にのせた。そして、三人は
煎餅布団にくるまって寝たのである。寝るとき玉汗は、飯が凍るといけないからと言って....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
たった二枚、財布の底にこびり附いていただけだった。 ゆうべは、疲れ果てた足を、
煎餅布団に伸した、久し振りの我が家の寝心地が、どこにも増してよかったせいか、枕に....