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煙雨
「煙雨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煙雨の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「北支点描」より 著者:豊島与志雄
る湖水は、底浅く薄濁りであるが、それぞれに趣きは異る。絶勝とされる杭州の西湖は、
煙雨の日に画舫を浮べるべきである。南京の玄武湖は、ボートに乗って城壁を眺めるによ....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
水田の広いのに過ぎないこの西湖が、如何に三潭印月や湖心亭の影を宿そうとも、また、
煙雨の中に模糊たる愁思を漂わそうとも、また、数々の名跡を周辺に鏤めようとも、畢竟....
「環礁」より 著者:中島敦
》や、模糊《もこ》として隠見する翠《みどり》の山々などは、確かに東洋の絵だ。一汀
煙雨杏花寒とか、暮雲巻雨山娟娟とか、そんな讃がついていても一向に不自然に思われな....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
いところであった。蘇堤などもいい風情をもっている。雨の日などはことに蕭々とけぶる
煙雨になんとも言えぬ明媚な美しさがあった。 銭塘江は、向う側が雨にくもってちょ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
、岸近くには枝垂《しだ》れ柳が二、三本、上り下りの屋形船《やかた》とともに、晩霞
煙雨《ばんかえんう》にはそれでもなにやら捨てがたい趣きを添えていたもの。もとより....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
十七日、晴れ。※時に至り、雨来たり風起こり波生じ、船また少しく揺動す。午後六時、
煙雨の間にフォークランドの島影を見る。 孤舟衝、南米尽処暮、波間島影長。 (ただ....
「三国志」より 著者:吉川英治
風が吹きまくる。この辺が、晴天の日でも、峡門には、黒雲がわだかまり、砂礫が飛び、
煙雨が降り荒んでいる」 「ははあ、大きに」 「好んで、それへ向ってゆくので、近づ....