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煤竹
「煤竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煤竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
から名附けたものには、鶯茶《うぐいすちゃ》、鶸茶《ひわちゃ》、鳶色《とびいろ》、
煤竹色《すすだけいろ》、銀煤色、栗色、栗梅、栗皮茶、丁子茶《ちょうじちゃ》、素海....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
に変形したはずである。 この懸物《かけもの》は方一尺ほどの絹地で、時代のために
煤竹《すすだけ》のような色をしている。暗い座敷へ懸けると、暗澹《あんたん》として....
「門」より 著者:夏目漱石
無事に帰った。夫婦は毎朝露に光る頃起きて、美しい日を廂《ひさし》の上に見た。夜は
煤竹《すすだけ》の台を着けた洋灯《ランプ》の両側に、長い影を描《えが》いて坐って....
「野分」より 著者:夏目漱石
》を催《もよお》した。 十 道也《どうや》先生長い顔を長くして
煤竹《すすだけ》で囲った丸火桶《まるひおけ》を擁《よう》している。外を木枯《こが....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、尊名は初めてだと、飛白の筒袖羽織、禿びた薩摩下駄、鬚髯もじゃ/\の彼が風采と、
煤竹色の被布を着て痛そうに靴を穿いて居る白粉気も何もない女の容子を、胡散くさそう....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
つぬぎ石、苔のついた飛石。その石と石との間に羊歯《しだ》の若葉がひろがっている。
煤竹《すすたけ》の濡縁の前に、朴訥《ぼくとつ》な丸石の手洗鉢があり、美男かつらが....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
ン中にポタポタと垂らしてシッカリとオッ立てた。驚いて見ているうちに、今度は腰から
煤竹筒の汚ない煙草入を出して、その蝋燭の火で美味そうに何服も何服も刻煙草を吸うの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
二 弁信が鈴慕の一曲を聞き終って、ホッと息をついた時に、天井の
煤竹《すすたけ》の簀子《すのこ》から、自在竹を伝ってスルスルと下りて来たピグミー....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
何処《どこ》の珈琲店《カフェー》にもある焦茶《こげちゃ》の薄絹を張った、細い
煤竹《すすだけ》の骨の、帳《とばり》と対立《ついたて》とを折衷したものが、外の出....
「妾宅」より 著者:永井荷風
もん》にした襟頸《えりくび》ばかり驚くほど真白に塗りたて、浅黒い顔をば拭き込んだ
煤竹《すすだけ》のようにひからせ、銀杏返《いちょうがえ》しの両鬢《りょうびん》へ....