»
煦
「煦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煦の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
んきゃくき》に括《くく》りつけて来た二三冊の書籍もほどく気にならん。こうやって、
煦々《くく》たる春日《しゅんじつ》に背中《せなか》をあぶって、椽側《えんがわ》に....
「野分」より 著者:夏目漱石
上に余裕のある人でなくてはならぬ。 自分の活動は食うか食わぬかの活動である。和
煦《わく》の作用ではない粛殺《しゅくさつ》の運行である。儼《げん》たる天命に制せ....
「運命」より 著者:幸田露伴
して必ず諸君の為に敵を破らんと。既ち精鋭数千を麾いて敵の左翼に突入す。王の子|高
煦、張玉等の軍を率いて斉しく進む。両軍相争い、一進一退す、喊声天に震い 飛矢雨の....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
を死に処して露国に謝するに非ざれば、国難忽ちに来らん、国家ありての後の法律なり、
煦々《くく》たる法文に拘泥して国家の重きを忘るるは学究の迂論《うろん》なり、宜し....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
いた、やがて、花も咲けば実もむすばれよう」と彼は誰にともなく云った、「――春日|
煦々《くく》の船出じゃからのう」
家族を落ち着かせた家中のものは邦夷の周りに集....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
華麗なる海上大食堂。玻璃《ガラス》張りの天蓋《まるてんじょう》を透して降りそそぐ
煦々《くく》たる二月の春光を浴びながら、歓談笑発して午餐に耽る凡百の面々を眺め渡....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
その中腹あたりの岩肌をキラキラと輝かせているが、天地万物|寂としてしかも陽だけが
煦々として、なごやかにこの野原に遊んでいる。 向うの山の頂に美しい白雲が泛んで....