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「照らし出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

照らし出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
のであった。 懐中電灯は静かに動く。――そして函の陰へ隠れている斃死者の顔面を照らし出す。まず、目につくのは、鋭い刃物で抉ったような咽喉部の深い傷口――うん、....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
じめたある物を、次に来る言葉の力で意識の表層に引き上げ、そうして強い閃光でそれを照らし出すというのでなかったら、その作品は、ともかくも読者の注意と緊張とを持続さ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
煽《あお》りをくらった手燭が一つ、ユラユラと揺れ立って、伊賀の若様の蒼白い顔を、照らし出す。 兄対馬守をしのぐ柳生流のつかい手、柳生源三郎は、二十歳《はたち》....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
挨拶《あいさつ》をかわした。道の土手に上っている老人の姿を、角燈の光が通りしなに照らし出す時、御者は驚いて彼をながめていった。 村のとっつきの、小さな庭の中の....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
『三隈』がそれにつづいた。探照灯が、蒼白《あおじろ》い光を投げて、敵艦のすがたを照らし出す。 「打方《うちかた》始め。」 たちまち、ものすごい砲声が起った。 ....
木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
離落たる山駅の間を走って中仙道は次第に山深く這入って行く。雲が晴れて日が次第に照らし出す。山風はいかにも涼しいが、前途の遠いのを思うとすこぶる心もとない。 ....
胎内」より 著者:三好十郎
らがなにしたところで……(いいながら動かした電燈の光が、村子の坐っているところを照らし出す。そこには地面にしいたコートの上に、ストッキングにシワを作った女が、片....
押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
供のオモチヤや、小娘たちの喜ぶ千代紙やブローチや手提などを、まばゆくきらびやかに照らし出す夜店のアセチレン灯の光が、わずか半年ほど見なかつただけの初世の姿を、人....