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照れる
「照れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
照れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
のみち一組になりそうなことは池の中の魚のように本能的に感じられるものである。私は
照れるようなこともなく言葉もそう改めず、この旅でも、ただ身のまわりの世話ぐらいは....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
かえり、「ねエ坂本さんの歌うまかったわねエ」「否《いや》、駄目《だめ》ですよ」と
照れるぼくを黙殺《もくさつ》して、「ねエMさんがあなたに歌をかいて下さいって。幾....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
だいいち豹一にはついぞこれまでどの女の手を握った経験もない。友人と握手するのさえ
照れる男である。それが初対面の女の手をいきなり握ろうというのだから、いってみれば....
「世相」より 著者:織田作之助
の中で胡坐をかいているわけではない。スタイルはデカダンスですからね。叫ぶことにも
照れるが、しみじみした情緒にも
照れる。告白も照れくさい。それが僕らのジェネレーシ....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
という骨は露われ、蒼白き面のいとど透きとおりて、ただ黒髪のみ昔ながらにつやつやと
照れるを、長く組みて枕上にたらしたり。枕もとには白衣の看護婦が氷に和せし赤酒を時....
「高台寺」より 著者:宮本百合子
気するたらどこに書いとおす」 ひろ子は思う壺に嵌《はま》りすぎて、おかしいのと
照れるのとで、少し赧くなりながら説明した。 「ほら、ね、この人指し指と中指の間か....
「夜の靴」より 著者:横光利一
またもう一杯。 それも忽ちひと舐めだ。どこか薄笑いの漂ったいつもの顔で、多少は
照れるのか横を向き、あぐらをかいている。人から茶など出されたことは二十三歳初めて....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
麗《うる》わしき少女《おとめ》を、花のように笑《え》めるおもわ、月の光りのように
照れる面《おもて》とうたって、肌の艶《つや》極めてうるわしく、額広く、愁《うれい....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、直線的に云い下して毫も滞るところが無い。「春花のにほえ盛えて、秋の葉のにほひに
照れる」(巻十九・四二一一)などと云って、美麗な人を形容したのがあるが、此歌は帝....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
す。男の人でもてれるということは、なかなか愛嬌のあるものです。しかし、この羞みも
照れるも、極端になると始末がわるい。日本人くらい、その点で、ひどく羞み、
照れる国....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
、また続けたのだから、実に自尊心の強い男だといわねばならない。嫉妬を感じた自分に
照れるために、そして、嫉妬を感じていることを、かくすためにも……。 わざとらし....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
やおもたき琵琶《びわ》の抱《だき》ごころ 等の句境は、万葉集の歌「うらうらと
照れる春日に雲雀《ひばり》あがり心悲しも独し思へば」や「妹《いも》がため貝を拾ふ....