照れ隠し[語句情報] »
照れ隠し
「照れ隠し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
照れ隠しの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
者が傍に来たのでいよいよいい出しかねていたが、若奴とちょうどそんな話になったので
照れ隠しのように、 「若奴さん、ほんとに美い芸妓さんになったなあ」と私はまたつく....
「縮図」より 著者:徳田秋声
状態は測りかね、窘めるように言った。 「ううん。」 銀子の牡丹は苦笑しながら、
照れ隠しに部屋をあちこち動いていたが、風に吹かれる一茎の葦のように、繊弱い心は微....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
まうと、後には子供達に顔を見られるのも堪らないような気恥かしさが残るので、彼女は
照れ隠しにわざとどこかへ喋りに飛び出してしまうのである。 妙にぎごちない、皆が....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
葉子は、むきになって、口を尖らせた。 「よし。じゃここで約束しよう」 黒吉は、
照れ隠しにこういうと、小指を突出した。そうしてこの二人は、明るい櫓の上で、陽を一....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
腹の中で可笑くもなって、怒られもしないという気になった。で、それよりも寧そ悄気た
照れ隠しに、先達ての、あのしごきをくれた時のことを、面白く詳しく話して、陽気に浮....
「太宰治との一日」より 著者:豊島与志雄
は言えず、率直に心意を吐露することになるし、それが反射的に気恥しくもなる。そして
照れ隠しに酒を飲むのだ。人と逢えば、酒の上でなければうまく話が出来ない。そういう....
「笑について」より 著者:岸田国士
ると「不可解な微笑」であります。尤も私の考えでは例の豪傑笑いなどというのは一種の
照れ隠しで、世界の何処を探してもない笑いだと思います。極く普通の意味の笑いは、お....
「双面獣」より 著者:牧逸馬
が、鹿爪らしい顔で全く不必要なことをしているようで、段だん面映ゆい気がして来る。
照れ隠しにペイルソルプが運転台のドアの把手《ハンドル》に手を掛けると、 「さあ、....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
しまうから居酒であった。是をデハイともテッパツともまたカクウチとも謂って、すべて
照れ隠しの隠語のようなおかしい名で呼んでいる。しかもこういうのも酒を売る家が数多....