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照合
「照合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
照合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
。
そんな連中《れんじゅう》のなかにお島をおくことの危険なことが、今夜の事実と
照合《てりあわ》せて、一層|明白《はっきり》して来るように思えた父親は、愈《いよ....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
、大概の花は五分以内で仕上げてしまふ。 かうして花が出来上ると、客の抜いた籤と
照合せる。が、勿論前に記したやうな仕組になつてゐるのだから、籤に書かれた花の名と....
「黴」より 著者:徳田秋声
やり始めると惰力で仕事がとにかくしばらくの間は進行した。時とすると、原書を翻って
照合しなどしていた。ふと筆をおいて、疲れた体を後へ引っくら反ると、頭がまたいろい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
な行ないは、昔の行ないと相並んで、彼の名義で帳簿に書きのせられた。両者はたがいに
照合し合った。道徳を傷つけられた恨みに、善良な趣味を涜《けが》された恨みが加わっ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
親愛なものだったことが察せらるる。私は今機会を得て、旧版による旧訳をこの改訂版に
照合して改訳してみた。本書に付した私の序文は、この作品にたいする私の若き日の感激....
「小さき花にも」より 著者:豊島与志雄
ったほど単調な仕事じゃない。その代り、私の校正は甚だゆっくりだし、きたない原稿と
照合することを怠って、意味さえ通ずれば一句ぐらい落すことも平気だから、編輯の人か....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
なら胃の中の物もフシギなく当てはまる。 「とにかく行方不明の人間を調べて一人ずつ
照合しているうちに身許が分るかも知れない。ほかに手はなかろう。もっとも、バカに根....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
ぎ》に等しいかは知らんが、青年時代の希望の実状を印《いん》してこれを現今の実際と
照合し、もって理想の規矩《きく》にあててみるのである。いっそう具体的に述ぶればあ....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
証を損ねた。そして司法主任は、双生児の指紋と、押収した兇器の柄に残された指紋との
照合による最後の決定を下すために、警視庁の鑑識課へ向けて部下の一人を急がした。 ....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
争後には、岩野泡鳴の国粋主義の主張が起ったことも、一九三二年のファッショの発展と
照合して、(勿論その社会的根拠に非常な相違はあるが)注目に価する。 更に、もう....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
。最初の現場検視が厳重に細部に行きとどいていて、彼らの供述に応じて直ちに事実との
照合が厳密になされたなら、彼らが被害者を殺した犯人ではない、という証明はそこから....
「地上」より 著者:島田清次郎
郎が全力で綜合的に受容れた深い印象であった。人の生涯にあるかなしの本質と本質との
照合だったのだ。彼は自分を疑うようにもう一度彼女を見直した。そして最早「母のお光....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
はずがない、かくて作者は誰かと考えざるを得ないのである。 これを住友氏の場合に
照合するとき京都のI氏監督、それに属する無名の工人二、三となる。また前山氏の実例....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
考人の証言は、法廷で朗読された――ロンドン塔の内で聴取されたものであって、いまは
照合も査証もする由のない口供書だった。要するに、ほんのすこしばかり上手な処理を加....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
聟いじめの折に、往々、村の定使《じょうづかい》と称する者が、この役に扮したことと
照合するものとして、すこぶる興味が深いものがある〔註七〕。 神社祭の行列の先頭....