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照応
「照応〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
照応の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
てみれば、その二つがピタリと頂鏡像のように符合してしまうのである。まったく、その
照応の神秘には、頭脳が分析する余裕などはとうていなく、ただただ怖れとも駭《おどろ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
なんだね」
「冗談じゃない。けっしてそれは文典でも――詩でもない。勿論、類推でも
照応でもないのだよ。実際に真正の虹が、犯人とクリヴォフ夫人との間に現われたのだが....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
することをあえてせず、表面上よりこれを見れば当時の学者間に現われたる国権論派と相
照応するに似たり。当時にあり法制上の改革を主張したるものは実にこの論派なり。政体....
「怪異考」より 著者:寺田寅彦
推測される。しかしそれだけであってこのギバの他の属性に関する記述とはなんら著しい
照応を見ない。もっとも旋風は多くの場合に雷雨現象と連関して起こるから、その点で後....
「化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
ともかくもこの事と、鸚鵡石で鉦や鈴や調子の高い笛の音の反響しないという記事とは相
照応する点がある。しかしこれも本式に研究してみなければよくはわからない。 近ご....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
ある旋律によって表わされた一つの主題《テーマ》であるとすれば、第二の部分はこれと
照応しまた対比さるべきものであり、これに次いで来る第三すなわち終局部では再び前の....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
、この插入にも一脈の俳諧がある。この無意味なような插入が最後の「自由」のシーンと
照応して生きてくるように思われる。それのみならず自分はこの映画いったいの仕組みの....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
拍子をとるような気分にはならないのである。それで、発声映画において視覚のリズムと
照応した物音の律動的駆使によって著しい効果を収めうるのは当然のことである。たとえ....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
会っての対話の場面と、最後に監獄の鉄檻の中で死刑直前に同じ二人が話をする場面との
照応にはちょっとしたおもしろみがある。 ゲーブルの役の博徒の親分が二人も人を殺....
「科学論」より 著者:戸坂潤
夫と決して直接に同じでないにも拘らず、一定の約束(云わば飜訳の文法)を介して、相
照応せざるを得ないものなのである。私はこの関係を二つの根本概念群の間の共軛関係の....
「文学の中の科学的要素」より 著者:寺田寅彦
れる。換言すればその詩を味わう読者各自の能知に内在する、その原型の模型にどれだけ
照応するかの程度によって各評価者の価値判断が極るのであろう。 以上のごとき立場....
「神経」より 著者:織田作之助
愛想がつきてしまった。私は元来実話や美談を好かない。歴史上の事実を挙げて、現代に
照応させようとする態度や、こういう例があるといって、特殊な例を持ち出して、全体を....
「吉岡芳兼様へ」より 著者:織田作之助
の音を聴いたのです。それだけです。冒頭の「私」が聴く雨と最後の坂田翁の聴く雨とを
照応させて「聴雨」としたのです。因みに坂田翁が木村八段と対局した南禅寺の書斎には....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
る。必ずしも白蓮に観音立ち給い、必ずしも紫陽花に鬼神隠るというではない。我が心の
照応する所境によって変幻極りない。僕が御幣を担ぎ、そを信ずるものは実にこの故であ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
知って然る後に初めてその画の真趣を理解する事が出来る。椿岳の画の妙味はその畸行と
照応していよいよ妙味を深くする感がある。 椿岳の実家たる川越の内田家には芸術の....