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煩わす
「煩わす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煩わすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
、はがきの通知をうけていた。 のち二日目の午後、小包が届いたのである。お医師を
煩わすほどでもなかった。が、繃帯した手に、待ちこがれた包を解いた、真綿を幾重にも....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
撒散らすにおいてはその分に置かぬ==と里へ出て触れい、とある。ためにの、この鰭を
煩わす、厄介な人間どもよ。 蟹五郎 その事かい、御苦労、御苦労。ところで、大池の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
言等にて写しおきたれば、本書中にその糞詩泥歌をもあわせて録し、もって読者の一笑を
煩わすに至れり。 南半球の旅行中に、便船の都合にて英国を経由し、欧州を歴訪した....
「迷信解」より 著者:井上円了
百九十九円を除き去らば、残るところわずかに一円なり。一円の利を得るに、なんぞ神を
煩わすに足らんや。これ必ず失言もしくは違算ならんとてその者に注意したれば、当人曰....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に手を伸ばして新たに支店を開こうとする際であったから、どういう方面に二葉亭の力を
煩わす意があったか知らぬが、哈爾賓の支店に遊び半分来てくれないかといった。二葉亭....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
に相談あり。値は一千円位。小生病気につき現品見つけ方及び送り方は全部江戸川さんを
煩わすこととなる。 なお、家の中の仕事といえども、やり過ぎるなと注意あり、返事....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ものの音声が、何といっても聞きよいのである。そうでない場合は、客に一方的な筆談を
煩わすことになる。それでは客に対して気の毒でならない。そういうようなわけで、たず....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
君のお話の大要だが、聞き違い書き違いがあるかも知れぬ。精しいことは同君の御執筆を
煩わす約束である。 今日いよいよ議事堂で山形県史蹟名勝天然紀念物の調査会が開か....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
扶持を規定した文書を与えられている。これによると、兵庫の宿の住民は、平素宿の者を
煩わすことが多いので、これに対して相当の報酬を与うべきものであった。すなわち兵庫....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
あったから、一時そこから勤仕したのであろうが、その以前においてそんな遠方のものを
煩わす必要はなかりそうに思われる。後の小法師は箒と緒太(草履)とを献上する例であ....
「小生のあけくれ」より 著者:北大路魯山人
ない。また小生の日常のように栄養を摂っていない。そして碌でもない平凡な俗事に頭を
煩わすことが多過ぎる。美しずくめばかりを狙っている小生の生活とは、どうやら別世界....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
節がわざわざ美濃|久々利村に足を運ばれること三度、某工人はもとより、瀬戸のT氏を
煩わすなどずいぶん大がかりの努力であった。これは今でも村の話柄としておもしろく誇....
「号外」より 著者:国木田独歩
快だ、それを読んで愉快な気持ちになっておるところなら平凡な事で、別にこの大先生を
煩わすに及ぶまいハヽヽヽヽ」 「なぜだ、これはおかしい、なぜです。」と加藤号外君....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
りに頼みます。あまり熱心でございますから、私も不便になりまして、御病気のあなたを
煩わすのは恐れ入りますが、一応お尋ね申す事にいたしました。 親鸞 それはおやすい....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に大島司法主任は赭ら顔を緊張させた。 「その屍体を発掘させましょう。責任は署長を
煩わすまでもない私が負います」 「賛成です」 根岸刑事は云った。 「署長始めそ....