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煩累
「煩累〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煩累の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
る為に必要なのである。国家は単に個人の安全を謀る為に存在するのである。もし社会的
煩累を避けて而も充分なる安全を得ることができるならば、こは大に望むべき所である。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
としているのである。ケプラーの家族はプロテスタントの信徒であったためにいろいろの
煩累に悩まされなければならなかった。 ケプラーの研究によって、天文学はアリスタ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
にちびちび口にしながら、ほんの輪廓の一部しか解っていないその外人の生活を、何かと
煩累の多い自身に引き較べて思いやっていた。さりとて信仰なしに宗教の規範や形式に自....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。お銀様自身は、弁信を愛しているとは思わない。弁信がいることによって、特に愛着と
煩累《はんるい》とを感じたこともないが、弁信がいないことによっても、なんら自分の....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
た。この常平舎は東京到る所にあって頗る書生どもに便を与えた。中には一家族が煮炊の
煩累を避けてこの常平弁当を喰べる者もあるとさえ聞いた。この新銭座に居た頃忘れもせ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
申せ」 と言った。道理である、まれな美貌の人であるから、俗の姿でこの世にいては
煩累となることが多いに違いないと阿闍梨らも思った。そうではあっても、几帳の垂帛の....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
いよ確証され、あるいは覆されよう。まあとにかくかくして、モラン大佐はもう、吾々の
煩累となることはなくなったし、あのフォン・ヘルダーの有名な空気銃は、警視庁の陳列....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
物にちょっとでも御我慢のお出来になるはずがございましょう。しかししかし、もう私の
煩累は、この土曜日で終りでございますわ。 「ははあ、ワトソン君、――」 ホーム....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
山川の勝境にわけ入って人間世界の拘束を忘れようとする。そう見る限り、花袋は人生を
煩累と思っていたにちがいない。それで花袋は旅をしつづけた。かれほどよく歩いたもの....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
い。第四部を書き終えた時の私の実感なのである。 しかし、今はただ出来るだけ少い
煩累の中で出来るだけ多くの記述をすすめうることを神に祈りつつ、最善の努力を試みる....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ましたが、私共は実に幸福でした。しかしほぼ一ヶ月前、――六月の末頃に、私は始めて
煩累の兆を見たのでした。その頃妻は亜米利加の消印のある手紙を受け取ったのでしたが....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
しての生活、百姓女としてのこの世の繋縛――伝統や、いわゆる「近所づきあい」という
煩累から、すっかり自由になり、さらに「家」というものの、親子の関係や、夫婦の関係....
「西瓜」より 著者:永井荷風
婚葬祭の事ある場合、これに参与するくらいの事は浮世の義理と心得て、わたくしもその
煩累《はんるい》を忍ぶであろうが、然らざる場合の交際は大抵|厭《いと》うべきもの....
「夏の町」より 著者:永井荷風
いぎ》の挨拶、散歩の度々に女中の送迎、旅の寂しさを愛するものに取ってはこれ以上の
煩累《はんるい》はあるまい。 何処へ行こうかと避暑の行先を思案している中《うち....
「古事記」より 著者:太安万侶
げ棄てる袋であらわれた神はトキハカシの神、投げ棄てる衣《ころも》であらわれた神は
煩累《わずらい》の大人《うし》の神、投げ棄てる褌《はかま》であらわれた神はチマタ....