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煮炊き
「煮炊き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煮炊きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
った拓本職人の老人の家だった。貧しいが鰥暮しなので気は楽だった。母親は老人の家の
煮炊き洗濯の面倒を見てやり、彼はちょうど高等小学も卒業したので老人の元に法帖造り....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いましたから何とも思わなかったが、自分ひとりになるとどうもさびしい。第一に朝晩の
煮炊きにも困ります。誰か相当の嫁をお世話下さいませんか。」と、彼はあるとき庄屋の....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
り、鳥や獣と同様、太陽といっしょに起きて、太陽といっしょに眠り、天然の水を飲み、
煮炊きしない生の物を食うのさ。」 「そんなこと、お兄さま好きなの。」 「好き嫌い....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ており、用をなさなくなっていた。露天風呂には天水がたまって、蛙が棲んでおり、私は
煮炊きの水を谷川まで往復して運ばなければならなかった。これは不便なものである。非....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
て続けてみた。副食物には砂糖、胡麻汁、ジャム等を用い、見事それで凌いで行けたし、
煮炊きの手数は要らぬし、突然の来客の時などことに便利に感じられた。 こうして試....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
お芳とは、ほとんど朝から夕方までいっしょになって仂いた。お芳は最初のうち、自分で
煮炊きまでやっていたが、鶏舎の増築につれて次第に手がまわらなくなり、とうとう、お....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
であった。敗戦後の物資も人手も不自由な時であるから、入院患者は自分の食物を自分で
煮炊きしなければならない。 私をむかえて集ってくれる患者たちは、食事の時になる....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
りに葡萄酒が備えてあるの。農夫は野良仕事に葡萄酒を壜に詰めてぶら下げて行きます。
煮炊きするのに水の代りに葡萄酒を使うのよ、それで贅沢じゃないことよ。どの家にも大....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
のと思う。 日本の料理界を見るとき庖丁を持たせば、達者に使える者は幾人もおる。
煮炊きさせても、かれこれ役に立つ者もないではないが、ただ憾むらくは人間の出来てい....
「三国志」より 著者:吉川英治
から、夕餉を炊ぐ煙が這ってきた。失意の子のために、母はなにか温かい物でも夕餉にと
煮炊きしているらしいのであった。 玄徳は、その間に、蓆機へ寄って、織りのこして....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
茅葺堂に守られている程度である。――で、昨日から、六波羅兵と放免(密偵)どもの、
煮炊きの跡や馬糞やらで、そこは狼藉を極めていた。 「ち、うるさいなあ」 ここの....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
禅門でも、この竹無しには火を吹くことができない。そうして、中央の平坦部の農村が、
煮炊きを竈でするようになったのも久しいことであった。 遠州の浜松附近には、火吹....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
御火焚棒がまだ残っているにもかかわらず、今では女の児が火鉢なんか持込んで、静かに
煮炊きをして楽しむ場所になっている。他の地方の正月小屋でも、餅を焼いて食べ、また....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
の際に古雛を送り流し、また正月に墓所に立てて置くタッシャ木という木ぎれを集めて、
煮炊きの燃料としたというのを見れば、これは一つの定まった方式であって、単なる遊戯....
「言語と文化史」より 著者:知里真志保
をルルと申します。このルルが実は海水のことであります。すなわちもとは海水を使って
煮炊きしたことがわかるのであります。 アイヌの家の中にはいりますと、室の中央に....