煮肴[語句情報] » 煮肴

「煮肴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

煮肴の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
はまた独りごちて、狸《たぬき》小路のいきつけの蕎麦屋《そばや》にはいった。そして煮肴《にざかな》一皿だけを取りよせて、熱燗を何本となく続けのみにした。十分に酔っ....
非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
名は符牒《ふちょう》のようで僕には解らなかった。しばらくすると、刺身《さしみ》、煮肴《にざかな》、煮〆《にしめ》、汁などが出て飯を盛《も》った茶碗に香物《こうの....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
た家は何とか云ったッけ」 長「橋本屋よ」 兼「ムヽ橋本屋だ、彼家で喰った※の煮肴は素的に旨かったなア」 長「魚が新らしいのに、船で臭え飯を喰った挙句だった....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
がそこらへ棄てられたり、下品な皿|小鉢が、むやみに買いこまれたりして、遠海ものの煮肴はいつも砂糖|漬けのように悪甘く、漬けものも溝のように臭かった。それに紛失物....
骸骨の黒穂」より 著者:夢野久作
かりの土間に垢光りする木机と腰掛が並んで右側には酒樽桝棚、左の壁の上に釣った棚に煮肴、蒲鉾、するめ、うで蛸の類が並んで、上り框に型ばかりの帳場格子がある。その横....
青年」より 著者:森鴎外
に思い付いた。 「何か肴があるなら酒を一本附けて来ておくれ。飯は済んだのだ」 「煮肴がございます」 「それで好い」 角刈の男は、形ばかりの床の間の傍の押入れを....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
仏頂寺弥助は鍵屋の辻の荒木又右衛門といったような形で縁台に腰をかけ、諏訪湖の煮肴《にざかな》を前に置いて、茶の代りに一酌《いっしゃく》を試みている。 この....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
直に下って代りの汁椀を持って出てそれと引替える。汁の外は、平が一つと皿に焼肴とか煮肴あるいは刺身位が盛ってあるのだが、その平の蓋は必ず、小姓が取ったものである。....
変な男」より 著者:豊島与志雄
ございますよ。拵らえて差上げましょう。」 そして辰代は夕方、粥や梅干や一寸した煮肴などを持っていったが、今井は何も食べたくないと云って、それには手もつけないで....
」より 著者:森鴎外
僕の目が一たびその菜を見ると、僕の鼻は名状すべからざる寄宿舎の食堂の臭気を嗅ぐ。煮肴に羊栖菜や相良麩が附けてあると、もうそろそろこの嗅覚の hallucinat....
式部小路」より 著者:泉鏡花
女房は長火鉢の傍に、新しい能代の膳立をして、ちゃんと待っていた、さしみに、茶碗、煮肴に、酢のもの、――愛吉は、ぐぐぐと咽喉を鳴らしたが、はてな、この辺で。………....