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煮豆
「煮豆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
煮豆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
、「朝食出来ます、四品付十八銭」の立看板を出した。朝帰りの客を当て込んで味噌汁、
煮豆、漬物《つけもの》、ご飯と都合四品で十八銭、細かい商売だと多寡《たか》をくく....
「わが町」より 著者:織田作之助
、「朝食出来ます、四品附十八銭」の立看板を出した。朝帰りの客を当て込んで味噌汁、
煮豆、漬物、御飯と都合四品で十八銭、細かい儲けだとたかをくくっていたところ、ビー....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の風聞であった。それから加州方からは毎日のように兵糧の応援があった。米、菜の物、
煮豆など余るくらい送ってくれた。降蔵らもにわかに閑暇になったから、火|焚きその他....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の時寺では十人あまりへ胡桃餅を出す、早朝から風呂を焚く、あとで出す茶漬けの菜には
煮豆に冬菜のひたしぐらいでよろしの類だ。寺は精舎とも、清浄地とも言わるるところか....
「分配」より 著者:島崎藤村
私は言った。 「とうさんも若い時分に自炊をした経験がある。しまいには三度三度
煮豆で飯を食うようになった。自炊もめんどうなものだぞ。お前たちにそれが続けられる....
「足迹」より 著者:徳田秋声
人は芝居がどのくらい好きだか――。」と、お庄は後で磯野に話した。 「芳村さんには
煮豆ばかり食べさしておいて、暇さえあると自分は芝居へ行ってるの。」 「ふとすると....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
稼ぎに身がはいらず質八置いて、もったいなくも母親には、黒米の碓をふませて、弟には
煮豆売りに歩かせ、売れ残りの酸くなった
煮豆は一家のお惣菜、それも母御の婆さまが食....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
は……」 「いや、小僧に用はない。すぐおいで。」 「宗ちゃん、……朝の御飯はね、
煮豆が買って蓋ものに、……紅生薑と……紙の蔽がしてありますよ。」 風俗係は草履....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
り。亭主の出たあと、女房は膳の上で温茶を含んで、干ものの残りに皿をかぶせ、余った
煮豆に蓋をして、あと片附は晩飯と一所。で、拭布を掛けたなり台所へ突出すと、押入続....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。もっとも彼が食べる料理も実にまずしいもので、イワシとか、ニシンとか、ツクダニ、
煮豆というもの。 「美食は愚者の夢である」 というのが左近の説であった。つまり....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
難にだけは安心な男にも、不思議に女房は実意があるから、これはそこらの、あやしげな
煮豆屋が、あんぺらの煮出しを使った悪甘いのではない。砂糖を奢って、とろりと煮込ん....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
すが。―― お冬は武家の出で、本所に落魄れた旗本か、ごけにんの血を引いている。
煮豆屋の婆が口を利いて、築地辺の大会社の社長が、事務繁雑の気保養に、曳船の仮の一....
「妖怪学」より 著者:井上円了
物には、最もこの思想連合よりきたるもの多しとす。まず第一は餅なり。あるいは昆布、
煮豆、数の子のごときもしかり。餅は金持ち、子持ち等のもちを願うなりという。これ、....
「西航日録」より 著者:井上円了
狂歌を詠む。 正月にそなへる餅も喰ふ餅もみな盆餅と呼ぶぞおかしき 数の子あり、
煮豆あり、カマボコあり、本邦の正月に毫も異なることなし。「ボンベイ元旦」の題にて....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
しい、三や何でもよいほどに御膳を其方へこしらえよ、湯豆腐に蛤鍋とは行かぬが新漬に
煮豆でも構わぬわのう、二三杯かっこんですぐと仕事に走りゃれ走りゃれ、ホホ睡くても....