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熄
「熄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
、彼はもうすこしで下痢が起こるような気がしたほどである。 やがて振動はぴたりと
熄《や》んだ。 「ほう、助かった!」 誰も皆が、そう思ったに違いない。が軟泥は....
「予報省告示」より 著者:海野十三
行く。人類の運命は明らかに傾いたといえる。 世界暦二千百五年 第四氷河期は終
熄を告げた。 地球の上に再び春が訪れた。だが、深刻なる地底耐乏生活百年を経て、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
永遠なるものの無限の経過にも、ついにはこの漸近的な減少の果てに、すべての活動が終
熄してしまう最後の日が来ないわけにはゆかない。』 『さらばと言ってある一つの宇宙....
「人間灰」より 著者:海野十三
振りかかったことだが、大汗かいているときなので気持ちがよかった。この雨はまもなく
熄んだ。それからは岸とすれすれに湖尻まで漕ぎつけたこと。 (五)湖尻に上ったのが....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
だときには、弦三の姿は、戸外の闇の中に消えていた。 非常管制の警報は、いつしか
熄んでいた。 外は咫尺を弁じないほど闇黒だった。 弦三は、背中に、兄に贈るべ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ある。 気味のわるい機関銃の響がハタと停った。警官隊の激しい銃声もいつの間にか
熄んでいた。暗黒の室内は、ほんの数秒であったが、一転して墓場のような静寂が訪れた....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
いし由。 二月二日 ◯昨日雪が降り出して夕方までに二三寸は積ったが、夜になると
熄んだ。 そして今日は陽がさし出でたので、どんどん溶けて行く。うちへ来て下さる....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
真斎じゃないがね。虚妄の烽火には驚かんよ。あの無分別者の行動も、いよいよこれで終
熄さ。だって考えて見給え。現在僕の部下は、あの四人の周囲を盾のように囲んでいる。....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
も五月二十二日に病※した日は共に、風雨烈しい夜であったと伝う。 戦乱はかくて終
熄したと云うわけでない。東軍には尚細川政国、西軍には大内政弘、畠山|義就等闘志満....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
げて家康の陣に行き、徹宵して酒を飲んで快談した。覿面に此の効果はあがって謡言は終
熄したが、要するに今後の問題は、持久戦に漸く倦んだ士気を如何に作興するかにある。....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
た洋盃を叩きつけるようにがちゃりと、卓上に置いたのである。――二人の私語ははたと
熄んだ。 乃公は慌てないで、じっと取り澄ましていた。(あいつら、なんのために、....
「不周山」より 著者:井上紅梅
をかけ、両手で頭をかかえて、のぼせ上って言った。 このとき崑崙山上の大火はまだ
熄んでいず、西の空の端は真赤であった。彼女は、西の方を見て、そこから火のついてい....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
て居た。其の団体は大戦当時ですら敢然不戦論を主張し平和論を唱導して居たが大戦|終
熄後は数万の未亡人を加えて英国の一大勢力となって来た。やがてアグネスは女学校へ通....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、「あんな軽佻な真似をするんじゃなかったっけ、」と悔いていた。 その中に戦争は
熄んだ。読者は最早露西亜や満洲の記事には飽き飽きした。二葉亭の熱心なる東露の産業....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
紀の最後の余焔が、エセックスという尖端的な文芸復興期の児の貴族の心中にまだ燃えて
熄まないのだった。現実は消えた。屈辱にまみれた彼の思想は、むしろ現実を抹殺したか....