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熊蜂
「熊蜂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熊蜂の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
ば、蟹《かに》の鋏《はさみ》、びっくり仰天、尻餅《しりもち》つけばおしりの下には
熊蜂の巣、こはかなわずと庭へ飛び出たら、屋根からごろごろ臼《うす》のお見舞い、か....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
なわけであったそうな。
ひとしきりあの藪《やぶ》の前にある枇杷《びわ》の古木へ
熊蜂《くまんばち》が来て恐《おそろ》しい大きな巣をかけた。
すると医者の内弟子....
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
題は起こらないのだったが、船長は船に残っていたのだ。 船長は、たたき落とされた
熊蜂《くまばち》の巣みたいに、かっとなって憤《おこ》った! 自分の妻君の姦通《....
「猿小僧」より 著者:萠円山人
ンドン追っかけて行ったが、その中の一人はあまり上ばかり見ていたので、うっかりして
熊蜂《くまんばち》の巣に足を踏み込んだ。驚いて飛び退《の》くと、そのあとから何千....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ある。 お妙の次を道子が乗った。ドン尻に、め組の惣助、婦ばかりの一群には花籠に
熊蜂めくが、此奴大切なお嬢の傍を、決して離れる事ではない。 これは蓋し一門の大....
「道標」より 著者:宮本百合子
向った公園のリラの花房は、三分どおり開きはじめて白や紫紅色の豊かな花房のまわりに
熊蜂がとんでいた。
パン販売店の列に立ち、石油販売店の列にならび、焼きたてのパ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
白昼も立ち入る者がないようになった。立ち入ればとかくに怪異を見るのである。大きな
熊蜂や蟒蛇も棲んでいる。さらに怪しいのは、夜も昼も音楽の声、歌う声、哭く声などの....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
十センチ砲の射撃を命じたのであった。二百発の砲弾は、まるでいたずら小僧の群を襲う
熊蜂の群のように、敵艦にとびついていったが、まことにふしぎな、そして奇怪な光景で....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
な時節ではあるがちょっとの間はしーんと静になって、庭の隅の柘榴の樹の周りに大きな
熊蜂がぶーんと羽音をさせているのが耳に立った。 その三 色々な考えに小な....
「麦藁帽子」より 著者:堀辰雄
夏休みが来た。 寄宿舎から、その春、入寮したばかりの若い生徒たちは、一群れの
熊蜂《くまばち》のように、うなりながら、巣離れていった。めいめいの野薔薇《のばら....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
なく続いていた。他の方面に、そこにはキャベツ畑の鮮明な縞があった。近い南瓜畑では
熊蜂のうなる音がぶんぶん聞えていた。高く葦を組んでそれに絡み附かせた豌豆の数列に....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
へあつまる小僧どもに詩文を教えた。 又、彼には色々の芸があった。 お寺の門に
熊蜂が巣をかけている。この巣は直径一尺五寸もあって、子供たちは門を通過するのに一....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
構えが獰猛である。そして気性がはげしい。なぎさに水を求めにくる蛇をも襲わんとし、
熊蜂、蜥蜴をも、ひと呑みにする。 口は大きく、歯は鋭い、肌の色は山女魚の淡墨の....
「魔味洗心」より 著者:佐藤垢石
まうであろうけれど、もしそれが蜂であった場合には、簡単にはすまない。そしてそれが
熊蜂であったなら、鱒の奴、ひどい目にあうのだ。 胃袋へ嚥み下したところで足長蜂....