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熊谷
「熊谷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熊谷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
り、茶師の赤銅色の裸体が燻《くす》んだ色の町に目立っていた。私たちは藤枝の宿で、
熊谷蓮生坊が念仏を抵当に入れたというその相手の長者の邸跡が今は水田になっていて、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
からそれへと伝えられて、江戸市中にも広まった。五月のなかばに、半七が八丁堀同心|
熊谷八十八《くまがいやそはち》の屋敷へ顔を出すと、
熊谷は笑いながら云った。 「お....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
落ちすることになったのですが、こいつよくよく悪い奴で、なんでも中仙道を行く途中、
熊谷の宿屋で男の胴巻をひっさらって姿を隠してしまったんです。捨てられた男は一人ぼ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うのであった。 しかも以上の探索で半七の肚は決まったので、その翌朝、八丁堀同心
熊谷八十八の屋敷に行って、委細の事情を申し立てた。その許可を得て、彼は直ぐに深川....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ら、分るもんか?」 「なぜ?」 「こないだも大ざらいがあって、義太夫を語ったら、
熊谷の次郎|直実というのを
熊谷の太郎と言うて笑われたんだ――あ、あれがうちの芸著....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
前々から分っていた。また数日前も敵機がきょうと同じコースで二度も入って来ている。
熊谷の陸軍特攻隊も手ぐすねひいていた筈。むざむざやられるようなことはあるまいと思....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
八の冬からここへ縁付いて来て、あしかけ三年むつまじく連れ添っていた。かれは武州|
熊谷在の豪農の二番娘で、千両の持参金をかかえて来たという噂であった。 加賀屋の....
「東京要塞」より 著者:海野十三
「えっ」と五十男は気をのまれた形であったが、「わしは土木工事の請負をやっている
熊谷五郎造です。うちの若い者の吉――というと本名は原口吉治てえんですが、どこかで....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
蔵の平原に近づきまする。 上野に着いたのは午後の九時半、都に秋風の立つはじめ、
熊谷土手から降りましたのがその時は篠を乱すような大雨でございまして、俥の便も得ら....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
毎日平均二通は来る。秋水の『比較研究論』は不許になったようだ。 『青年』の原稿は
熊谷に渡したか。早く出すように言え。雑誌の相談はどうなったか。 留守中の財政は....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
妖記」にはその七人の姓名が列挙してある。それは伊丹弥次兵衛正恒、穂積権九郎宗重、
熊谷小五八照賢、鞍手助左衛門正親、倉橋伝十郎直行、粕屋甚七常定、神原茂左衛門基治....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
、皆な愉快と悲痛と混じたる強き感じの種となりて胸につかえたる碓氷も過ぎ、中仙道を
熊谷まで来たり。明日は馬車にてまっしぐら東京へ乗り込むべしと思えば心に勇みを持ち....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
かぬものか秋の空 わが仏ひとり殖えたり神無月 この夕、少しく調ぶることありて、
熊谷陣屋の浄瑠璃本をとり出して読む。十六年は一昔、ああ夢だ夢だの一節も今更のよう....
「西航日録」より 著者:井上円了
に、ほとんど別天地を成せるがごとき観あり。 五月三日、ライプチヒに至り、塚原、
熊谷、藤岡三氏に面会し、清談数時にしてベルリンに帰る。当日、同所にて有名なる市場....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
店も出ることにし、一人で口入屋へ出かけていった。 そこで見つけたのは神戸栄町の
熊谷回漕店である。この運送屋では幹部は通勤なので、住込んでいるのは若い店員ばかり....