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熔
「熔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
屋根の向こうに、むらがっているひでり雲《ぐも》も、さっきから、凝然と、金銀銅鉄を
熔《と》かしたまま、小ゆるぎをするけしきはない。まして、両側に建て続いた家々は、....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
。怪しげな煙筒からは風にこきおろされた煙の中にまじって火花が飛び散っていた。店は
熔炉《ようろ》の火口《ひぐち》を開いたように明るくて、馬鹿馬鹿しくだだっ広い北海....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、酸性斜長石、雲母、角閃石、白榴石、霞石を含んでいない。これらは地球内部から来る
熔岩からいわゆる分化作用によって生ずるものである。 この分化作用の起り得るため....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、悲鳴に似た叫声が、手近かに起った。 ハッとして、弦三は空を見上げた。 鉄が
熔けるときに流れ出すあの灼けきったような杏色とも白色とも区別のつかない暈光が、一....
「金属人間」より 著者:海野十三
たくさん集まっているので、いい気になって、その中に寝てくらしているうちにある日、
熔鉱炉《ようこうろ》の中に投げこまれ、出られなくなった。そのうちに、鋳型《いがた....
「火星兵団」より 著者:海野十三
く言えば、課長、喜んで下さい。蟻田博士が、火星兵団の奴らをやっつける、すばらしい
熔解ガスを発明されたのです。そこらにころがっている赤黒い怪物は、みんな蟻田博士の....
「怪塔王」より 著者:海野十三
に変なことというのは、軍艦の檣が――これは鋼鉄でできているんですよ。それが一部|
熔けて、飴のように曲っているんです」 3 遭難軍艦の檣が、どうしたわ....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
いくら水を掛けて消そうとしても、水まで分解作用を起して燃えてしまう。頑丈な鉄骨も
熔ける位だから、東京のような木造家屋の上からバラ撒かれたら大震災のように荒廃させ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
いろいろある。落ちて来るとたちまち三千度の熱を出し、鉄でもなんでもトロトロに焼き
熔かしてしまうのだ。この焼夷弾をドンドン落して、日本の燃えやすい市街を焼きはらっ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
その媚かしさと申すものは、暖かに流れる蝋燭より前に、見るものの身が泥になって、
熔けるのでございます。忘れません。 困果と業と、早やこの体になりましたれば、揚....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
へ、山も見えぬのに、鵺が乗って来そうな雲が、真黒な壁で上から圧附けるばかり、鉛を
熔かして、むらむらと湧懸って来たろうではないか。」 初阪は意気を込めて、杖をわ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
閑暇を利用して、清らかに恋し合えるじゃないの。あらゆる悩みなんか、皆んなその中に
熔かしこんでしまうようにね。そこへ行くと自分たちは主義の仕事が精力の九割を割いて....
「不周山」より 著者:井上紅梅
色のものと薄黒いものを集めて、後から出来上がるときに裂目につめ、火をつけてこれを
熔接して仕事を完成しようとしたが、彼女は疲れて、眼は充血し耳は鳴り、堪えきれない....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
って手を合わせて、いまわという時、立騰る地獄の黒煙が、線香の脈となって、磊々たる
熔岩が艾の形に変じた、といいます。 ちょっとどうも驚かされた。かねて信心渇仰の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
しては日本は砂鉄は世界無比豊富であり、満州国の鉄はその埋蔵量莫大である。精錬法も
熔鉱炉を要しない高周波や上島式の如き世界独特の方法が続々発明せられている。石炭は....