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熟れる
「熟れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熟れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
旬には最早|大麦が色づきはじめる。三寸の緑から鳴きはじめた麦の伶人の雲雀は、麦が
熟れるぞ、起きろ、急げと朝未明から囀ずる。折も折とて徴兵の検査。五分苅頭で紋付羽....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
のか、いつの年も咲き盛った花の割合に、実のとまりが極く少く、とまった果実もそれが
熟れる頃になると、妙に虫がついて、収穫として畑よりあがるものは、ほんの僅かしかな....
「グースベリーの熟れる頃」より 著者:宮本百合子
れられない堤に座って夢の様にあわく美くしい思い出をたどった。 グースベリーの
熟れる頃に―― 仙二の心はこの一言を思う毎に重く苦しく、そうして微笑えまれるの....
「日記」より 著者:宮本百合子
金曜)不定 寒 〔摘要〕京北試験国男四番にて及第、大正博行 グースベリーの
熟れる頃を書く。 三月二十八日(土曜) 小さい論説 繊細な美の観賞と云う事....
「日記」より 著者:宮本百合子
。 一時頃まで起きて居たのだが不思議な興奮が私のすべてを領した。グースベリーの
熟れる頃を書いて見たいと思って居る。一つの可愛いい小さいエピソードであろう。あの....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
いた。 秋になると栂の実が、まるで松笠のように枝の間に挟まれて出来た。だんだん
熟れると丁度|鳶の立っているようになって、一枚一枚風に吹かれるのであった。遠くは....