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「熟慮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

熟慮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宣言一つ」より 著者:有島武郎
階級が自分自身の間において考え、動こうとしだしてきたという現象は、思想家や学者に熟慮すべき一つの大きな問題を提供している。それを十分に考えてみることなしに、みず....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
む。実に、その荘は特種の性質を有せり。すなわちそれ自身がすでに、人間諸種の苦悩を熟慮したる思想を現わすものにして、吾そこにおいて種々の酷刑を結合しあるいは比較し....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
私が生命を忘れ、世間を忘れ、甚しきは一|人の親をも忘れるまで、寝食を廃しまして、熟慮反省を重ねた上の決意なのです。はじめは貴方が、当時汽車の窓から赤城山の絶頂に....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
清き真宗教の普及の為めに、精進努力せしむる所以なのである。 吾等は信ずる、沈思熟慮の結果は、必ず汝をして、われ等の主張の合理性を承認せしむるに相違ないと。これ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
夜示したような乱暴を再びしたわけではない。 三 午後七時三十分。熟慮の結果、ようやくに得たる私の意見は、われわれは狂人に支配されているということ....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
は、他ならぬ来島十平太その人であって、案内人はゴーであった。 酋長オンコッコは熟慮した後、その十平太と逢うことにした。通弁の役はゴーである。 「我らは東邦の君....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
らぬことでも考えているようにとほんとしてろくろく返辞さえしない。 紋太郎熟慮 これはおかしいと思ったので、 「専斎先生どうなされましたな? お顔の色が....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
である。 「おかしいなあ、何のことだろう?」 文字を見詰めて右近丸は、しばらく熟慮したけれど、意味をとることは出来なかった。 で、そのまま書物を閉じ、帙へ入....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
どうだこいつでやらかそう!」 「ところが妾は天邪鬼で、無分別が恋の秘決なら、思慮熟慮で行きましょう」 「理詰めで行こうとこういうのか?」 「そうですねえ、そうで....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
申し上げまする。ゆえに方々におかれましても、十分にお聞きくだされた上、日夜|反覆熟慮して、簡単の言葉の奥にひそむ、深くして広く鋭くして正しい、真理について思案を....
母と娘」より 著者:岡本かの子
さい。そうでないとママとあなたは他人のようになってしまうとも知れません。あなたの熟慮の後の決心を正当と認めた私は喜んで賛成します。だから隠さないで打ちあけて下さ....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
二葉亭のこの我儘な気難かし屋は世間普通の手前勝手や肝癪から来るのではなくて、反覆熟慮して考え抜いた結果の我儘であり気難かし屋であったのだ。 二葉亭は一時哲学に....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
すべき言葉だった。彼は党派心を捨てて伯父バアリイすなわち父セシルに手紙を書いた。熟慮と絶妙の心配りをもって書いた。「この手紙は私の確然たる義務の念から書かれるも....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
ねばならぬと考えた。で、自分の立場としてどの方面から煤煙防止に貢献出来るかと色々熟慮を凝らした。しかし不景気のために日ごとに増してゆく失業の者の群れは一般に不安....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
兵力を使用し得るに対し、大王はその半数をもってこれに対応することとなった。大王は熟慮の後ベーメン侵入に決し、冬営地より諸軍をプラーグ附近に向い集中前進せしめた。....