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「熟睡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

熟睡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
検事、弁護士、看守《かんしゅ》、死刑執行人、教誨師《きょうかいし》等は四十八時間熟睡したそうである。その上皆夢の中に、天国の門を見たそうである。天国は彼等の話に....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。」「わたしは武者小路氏ほど……」――公衆は如何にこう云った後、豚のように幸福に熟睡したであろう。 又 天才の一面は明らかに醜聞を起し得る才能である....
或る女」より 著者:有島武郎
さめたようにふっとあらためて港を見渡した。そして、なんの感じも起こさないうちに、熟睡からちょっと驚かされた赤児《あかご》が、またたわいなく眠りに落ちて行くように....
或る女」より 著者:有島武郎
分のそばには、倉地《くらち》が頭からすっぽりとふとんをかぶって、いびきも立てずに熟睡していた。料理屋を兼ねた旅館のに似合わしい華手《はで》な縮緬《ちりめん》の夜....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
の中で彼れは快い夢に入ったり、面白い現《うつつ》に出たりした。 仁右衛門はふと熟睡から破られて眼をさました。その眼にはすぐ川森|爺《じい》さんの真面目《まじめ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
たり、一人に牛乳を温めてあてがったり、一人に小用をさせたりして、碌々《ろくろく》熟睡する暇もなく愛の限りを尽したお前たちの母上が、四十一度という恐ろしい熱を出し....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
まと》いし毛布《ケット》を脱ぎて被《き》せ懸《か》けたれども、馭者は夢にも知らで熟睡《うまいね》せり。 白糸は欄干に腰を憩《やす》めて、しばらくなすこともあら....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
れないが、いよいよ捕えられて獄中の人となってしまえば、気も安く心も暢びて、愉快に熟睡されると聞くが、自分の今夜の状態はそれに等しいのであるが、将来の事はまだ考え....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
みつく。……そんな妖夢を追っているうちに、僕は疲労に負けて、いつの間にかグッスリ熟睡に落ちた。…… 鍵にまつわる秘密 気がついてみると、お経の声がしてい....
空中墳墓」より 著者:海野十三
けてまでも活躍をつづけたので身体は綿のごとく疲れていた。それだのに、思ったほどの熟睡もとれず、神経は尖る一方であった。 今も急行エレベーターで昇って来た人間が....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
して道傍にゴロリと横になると、積り積った疲労が一時に出て、間もなく皆は泥のような熟睡に落ちました。 山頂の怪 警備の人達の苦労を知らぬ気に、いくばくもな....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
一間の鉄部屋があって、どこにも窓がなく、どうしても壊すことが出来ないで、内に大勢熟睡しているとすると、久しからずして皆悶死するだろうが、彼等は昏睡から死滅に入っ....
妖怪学」より 著者:井上円了
一部分起動すれば夢を起こすなり。もし、全分休止して意識作用の動かざるとき、これを熟睡という。しからば、夢と睡眠とはいくばくの差別ありやというに、夢も睡眠も死も、....
妖怪報告」より 著者:井上円了
中かすかに聞き得しならん。このとき、耳官はその用をなしおるも、他の諸機関はすべて熟睡のありさまにてあれば、ここに心象は意志の管束もなければ、火事の声をかすかに聞....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
吐き出す煙もまっすぐに立ちのぼって船の所在を示す。船客のベッドは真夜中になっても熟睡できぬ。それ故に暑さに苦しむ人は甲板にあがってすごすのである。) 二十四日....