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熟知
「熟知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熟知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
識にかけては、その方面の著述を五、六種持っているというほどで、無論|法水とも充分
熟知の間柄だった。彼は座につくと無遠慮に莨を要求して、一口|甘そうに吸い込むと云....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
てきた。ウィンジャマーは、きょう折竹の連れである自然科学博物館の、ケプナラ君とは
熟知の仲である。ぺこぺこ頭をさげて折竹に礼をいってから、おいキャプテンと、ヒュー....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
様だ。宋学の根本思想の一つは忠孝説である。つまり学問的に正成は忠義の何物たるかを
熟知して居たのだから迷わないのだ。最初から、功利的忠義ではないのだ。尚、宋学は当....
「流線間諜」より 著者:海野十三
よいだろう。こいつの実行期は何日だ、それを云ってみたまえ」 帆村は、さも計画を
熟知しているような顔をして、この機密に攀じのぼるための何かの足掛りを得たいつもり....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ヴァンニはただ二、三の植物を集めてみたが、それは彼が有毒植物ということを、かねて
熟知している種類のものであった。 こんな考察にふけっているとき、彼はふと衣ずれ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
れ等の仕事を困難ならしめるのである。食事の直後に実験を行う事の不利は、すでに汝の
熟知せる所であろう。要するにわれ等の求むる所は、受動的の敏感性であって、かの怠慢....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
迄もなく、その時胎龍が唱えていた『秘密三昧即仏念誦』――それは、厨川君が平素から
熟知していた。大体、経文には火に関する文字が非常に多いのだから、必ずしもそれに限....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
において彼は、その人魚の形が、両肢の癒合した一本肢という、一種の畸形であることも
熟知しているのだけれど、それとて、彼の夢を妨げる何ものでもなかったのである。 ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
配していたのでもあったかのように反省される。この夫人ならおれの生母のいきさつをも
熟知していたかも知れない。おれはおりおり聞いて見ようとしたが、口には出せなかった....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
り。その碩徳偉業、宇宙に炳琅として内外幾多の新聞|皆口を極めて讃称し、天下の人の
熟知するところ、予が喋々を要せず。予は唯一箇人として四十余年、先生との交際及び先....
「周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
ってこの遺蹟が発見された事であった。西原君は福岡県の人で、神籠石についてはかねて
熟知されている。先年余が筑後|女山の遺蹟を調査した際にも、同君は親しく案内の労を....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、万国の形勢を知るの必要あり。しかるにわが国において、北半球の国情、民俗は比較的
熟知せられ、かつ余も二回欧米各国を周遊したれば、一とおりの質問に応ずることを得る....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
こなわれた大化改新が、明治維新にまさるとも劣らぬ大維新であったことは、諸君も夙に
熟知しておられるところであろう。明治維新を境として、欧洲文明がしきりに移植された....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
して探偵捜索の用に供したものだという。目明かしの名はその実「目証」で、犯人の顔を
熟知している仲間の者として、犯人の首実検をなさしめ、目を以て証明をなさしめる事か....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
クラウゼウィッツが「ボナパルトはアペニエンの地理はあたかも自分の衣嚢のように
熟知していた」と云っているが如く、ナポレオンはイタリア軍に属して作戦に従事したこ....