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熱くなる
「熱くなる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
熱くなるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
看護婦の手を借りずに、元通りそれを置き直した。するとなぜか※《まぶた》の裏が突然
熱くなるような気がした。「泣いちゃいけない。」――彼は咄嗟《とっさ》にそう思った....
「或る女」より 著者:有島武郎
台所に行ってすすぎ物をしていたのかと思うと、葉子はもう胸が逼《せま》って目の中が
熱くなるのだった。
「さあ二人《ふたり》でこの間学校で習って来たダンスをして古藤....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、そっちが上席らしい、奥座敷の方へお洲美さん。負けてはいないな、妹よ、何だか胸が
熱くなる。紺の袴は、入口の茶棚|傍を勢い然るように及んで、着席です。 「牛が宜し....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
ないが、娘時代肺門淋巴腺を冒されたことがあるので少し過労にわたると、よく「背中が
熱くなる」ことを訴える。戦争中は激しい勤労奉仕が多く、ことに私の家では亭主が病ん....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
はまだ思い出したように鳴いてる、つくつくほうしなどがそろそろ鳴き出してくる、まだ
熱くなるまでには、余程の間があると思って、急に思いついて姪子の処へ往った。 お....
「作画について」より 著者:上村松園
自分の上席に入賞した私のために、最大の祝詞を送って下さいましたことを、私は身内が
熱くなるほど嬉しく思いました。 「花ざかり」は私の青春の夢をこの絵の中に託したも....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
台で脆くも折れてしまったのだから、その口惜しさといったらなんといってよいか、腸が
熱くなるようであった。 僕は床の上から力なく起きあがった。運命の神はこんなにも....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ミチミは、いきなり中腰になって、杜の前に飛びついてきた。彼は全体が一度にカーッと
熱くなるのを覚えた。 「先生、あたしはもともとそんなに節操のない軽薄な女なんでし....
「獏鸚」より 著者:海野十三
名刑事は空ろな笑い声をあげて、自らを嘲笑した。私は老刑事の心中を思いやって眼頭が
熱くなるのを覚えた。 「……私が探し出しましょう、戸沢さん」 帆村は決然として....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
手になっただろう」羨しい、嫉ましい、淋しいごちゃごちゃな感情が込み上げてきて眼が
熱くなる。思わず溜息を吐いた時、廊下を慌しく馳ける音がして、突然、百合子が入って....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
たいろんな面白いことを教えてあげましょうね。」 伯母さんは僕を抱きあげて、頬の
熱くなるほど頬ずりをしてくれた。 この狐の嫁入りについては、あとで、次のような....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
の墓前に永い間|額づき合掌して何事かを語るが如く祈るが如くしつつあるのを見て胸が
熱くなるのを感じたことを記す。 母はわたくしを十四五の歳になるまで、この子はい....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
みましょうか」 と答えた。そう言いかけていると私は初恋の話をするように身の内の
熱くなるのを感じて来た。初恋もない身で、初恋の場所でもないところの想い出に向って....
「麻畑の一夜」より 著者:岡本綺堂
ういう解釈を加えている。その患者は非常に熱が高くなって、殆んどからだが焼けそうに
熱くなるので、苦しまぎれに水に飛び込むのだろうと……。これも一つの理屈だが、理屈....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
ましょうが、叔父は近ごろ運が悪くて、しきりに負けが続きました。負ければ負けるほど
熱くなるのが勝負事のならいで、叔父はいよいよ夢中になって家の金をつかみ出している....